TQWT スピーカー
(テーパード クォーター ウェーブ チューブ)
  FOSTEX発行のCRAFT HAND BOOK (SPEAKER CRAFT MANUAL VOL.3)に12cmフルレンジユニットFF125Kを使ったTQWTスピーカーの作り方が掲載されている.。これまで製作したことの無いタイプのエンクロージャーで興味を引く。図面では見る限り構造が簡単で作り易いそうだが、バックロードホーンほど低音を積極的に補強するタイプではなさそうだ。
  18mm厚ラワン合板(サブロク定尺)3枚を使って図面通りに切り出すが、端材が少し出るので底板をやや大きめに取り、更に2枚重ねにする。
  組み立ては実に簡単。今回も釘や木ねじを使わず、木工ボンドのみで接着するので接着に時間がかかるが、細長い四角の筒の内部に斜めに板1枚仕切るだけの簡単な組み立て作業。
  作業手順は、最初に側板にバッフルと裏板を木工ボンドで接着し、次に内部の仕切り板をバッフルの上部から斜めに側板に接着して音道を作る。これで作業のほぼ半分が終わる。これに側板と底板を張り付けると出来上がりだが、側板を張り付ける前に、内部を黒の水性ウレタンペイント(黒)を塗り、バッフルの上部の裏の部分に吸音材を入れ、更に配線を済ます。箱の補強については、特にしなくても良さそうだが、細長い端材が出たので、バッフルの裏と裏板の内部、仕切り板に補強を入れた。最後に側板と予め吸音材を貼り付けた底板を接着すれば一応箱の完成。
  このまま、S.Pユニットを取り付けて完成させても良いが、私は箱に白の水性ウレタンペイントを5回ほど重ね塗り、更に底板部と裏板を黒色に塗り分けて1週間ほど乾燥させる。S.Pユニット(FOSTEX FF125K)を取り付けてすべて完成。
視 聴

  まず最初に感じたのは癖のない纏まった音である。音に開放感があり、実に自然な音で耳当たりが良い。ユニットの背後から出た音は長い音道(約3.6m)を伝い、天井に向けて放出されるのだが、特別そこから音の固まりが飛び出している感じではない。低音の量はやや控えめだが、低域まで伸びている。FF125Kはハイ上がりのユニットだが、バランスがとれた音に仕上がっている。
 

 比較視聴

  CW型バックロードホーンやスワン、共鳴管タイプのスピーカー等と比較して聴いた。
スワンも共鳴管もFF125Kをマウントしているので、エンクロージャーの違いによる音の出方が興味深い。
 音のスピードや能率はスワン等のバックロードホーンタイプより控えめだが、TQWTの方が低い低音が出ている。同じタイプに近い共鳴管スピーカーより音がぶ厚く周波特性もフラットのようだ。乾いた低音が飛び出してくるCW型バックロードホーンタイプではなく、適当に潤いを感じるまったりとした低音で、不思議と癖がない。スワンかTQWTかは好みで分かれるかもしれないが、共鳴管より良いように思う。音道を短くする(背を低くする)とまた違った感じになるかも知れない。 
使用材料  12cmフルレンジ FF125K    2本
タ-ミナル   T150                 2個
板   材   ラワン合板(厚18mm)      3枚
吸 音 材   フェルト、グラスウール 
そ の 他   水性塗料
 
切った板(部)材を仮組み立て
側板にバッフル、裏板と仕切り板を接着した後、内部を黒く塗る
側板を張る前に配線を済ませる
出来上がったTQWT BOX
まとめ

  全体的に癖の無い開放感のある明るい音で、音楽を聴くには最も自然な感じでソースを選ばない。市販の中級スピーカーと比べても遜色のない音と思う。個人的には今ある自作スピーカーの中で最も簡単に作れ且つ聞き易い音で気に入っているスピーカだ。背が非常に高く、あまりインテリア的ではないが、この音を出すにはこのこの形が必要なのかも知れない。
 現在、このスピーカーは、サブウーハー(ビクター製)とスーパーツィーター的にFT48Dをほんの僅か足して使用している。
 キングコプラやFE108EΣのスーパースワンも良いが、TQWTはそれとはまた違った魅力がある。 ユニットを違うシリーズに交換すれば、サブウーハーはOFFでも充分量感が得られそうだ。
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左からTQWT、ツィーター(FT48D)、スーパースワン、サブウーハー(ビクター製)
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