JSPスピーカー を作る
音楽喫茶「山」に集う仲間からJSPなる低音再生に強いエンクロージャーのことを聞いた。そういえば、月刊雑誌「スイングジャーナル」の掲載で見たような。
手持ちに8cmと10cmのフルレンジがあるので、久しぶりに作ってみることにした。
一見するとバスレフと同じタイプなので、小ユニットでは少々低音が出てもメインスピーカーにはなりにくいと思い、まずは実験的にと8cmユニット用の箱を作ることにした。
板材は檜の単板 吸音材はフェルトを使用 SPターミナル
寸法は、内径で高さ18cm、横18cm、奥行30cmで容積は9.7リットル。
バッフル穴を開ける直前に10cmのユニットに急遽変更。箱の容積は8cm用だから設計どおりの低音が出るか心配だが・・・。
板材は厚さ15mmの檜の単板。バスレフダクトは内径3cm、長さ10cmと15cmの2種類の塩ビ管を準備。(ダクト共振周波数は約70Hzと80Hz)
組み立て作業 固定はハタガネを使用 サンダーがけ
組み立て作業は至って簡単。接着には釘類は使わず、木工ボンドのみ。ハタガネで固定して1日置く。
電動サンダーで表面の凹凸を削り磨く。塗装は檜の白木を生かすため、透明ニスを塗る。一度塗って乾かし、表面を細かいペーパーで磨いた後仕上げ塗りを行う。
3日間陰干しをしてユニットの配線を施す。ユニットを取り付ける前に塩ビのダクトをバッフルの穴から通し内側から差し込む。
透明ニス仕上げ 3日間の乾燥
ユニットの取り付け
10cmのダクトと15cmのダクトの音の出方を調べてダクトの長さを決める。周波特性を計るとダクトの共振周波数は計算どおりほぼ70Hzと80Hzで、最終的にダクトを15cm(共鳴周波数は70Hz)に決める。
最後に、吸音材の調整を行う。低音があまり出ないので最初内側に貼った吸音材の量を半分に減らし鳴らしてみる。まだ低音が不足するので、すべての吸音材を取り外す。まずまず低音が出てきたが、驚くほどではない。やはり8cm用に設計された容積に10cmユニットでは低音が出ないようだ。折を見て、8cmのユニットに交換することにしよう。
他のスピーカーと聴き比べてみる。どうも評判どおりの低音が出ない。容積が少ないのが原因か?
それから1週間が経ち、同時に友人が作り始めた8cm用JSP箱がほぼ出来上がって来た。私がスピーカーユニットを取り付けることになり、FF85Kと長さ10cmの塩ビパイプを取り付け完成させた。箱の見場は良くないが、肝心は音である。まずは聞き比べ。
適当にCDを選んで聴いて見る。すると、どうだろう、結構低音が出るではないか。しかも、ダブルバスレフのようなふやけた低音ではなく、音階もはっきり分かるしまった低音が。
元々切れのある音を出すユニット(FF85K)であるので、中音から高音もクリアーである。これは大成功である。
JSPスピーカーの箱の容積は、ユニットのわりに大きなサイズを必要とする。また、正面から見ると正方形でサイコロの様な形となるゆえ、セッティングがしにくそうだが、普通のバスレフよりも強力な低音を出してくれる。SPユニットの口径を16cmや20cmにすれば、「ドシッ」とした音場になりそうな気がする。作ってみる価値は有りそうだ。
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