スーパースワン製作記
   故長岡鉄男氏の最高傑作バックローデッドホーン「スワン」の製作に取り掛ったのは、1995年のFMfanの記事で掲載されてから8年も経った2003年12月。当初、10cmユニットを使用したバックローデッドホーンには興味がなかったが、興味半分で作ったFE87E、FF125Kを使用したWバスレフ、TQWTが予想外に良い音が出たため、急に小口径ユニットのSPに興味が湧いてきた。
 スワン型のバックローデッドホーンエンクロージャ-は、外観がユニークだけでなく、内部の音道が複雑でこれまでのスピーカーより手間と時間、正確さが求められる。板のカットは、勤務地近くの建具屋さんに依頼。先方は図面を興味深かそうに見ていた。

 
  
材 料   シナ合板(15mm厚)3枚 木工ボンド 木ねじ
       ウレタンペイント(白・黒) ニス 
       グラスウール 紙やすり 木工パテ

ユニット  Technics EAS-10F20(2本) SPターミナル

工  具  電動ドライバー  電動ドリル
       鋸 ハンマー T定規 ハタガネ 刷毛
  製作は年末年始の休みを利用、本体の前方の音道部とヘッド部から同時に組み立てを始める。

 ヘッド部とネック部は木ねじや釘を使わず、仮止めの細い釘(後で抜く)とボンドだけで接着。吸音材にはフェルトを使ったが、吸音材は使わなくても良さそうだ。寒い時季でボンドの乾燥に時間がかかるので、本体の組み立ても同時進行で行う。
本体内部は迷路のようになっているので、音の通る道筋を確認しながら組み立てて行かないと、接着してから間違いに気付いても修正がきかない。カットの正確さも他のエンクロージャーと比べようもなく仕上がりに影響する。
 幸い、カットも正確だったし、初めてのスワンとあって慎重に組み立てて行ったので、トラブルもなく順調に作業が進んだ。
  天板や側版を貼るまでは変わったモニュメントのようで、スピーカーBoxのイメージが湧いてこない。
この箱の製作では板を設計通りにカットすると、側板の長さが2〜3mm短くなった。本体の中は前後方向に三層の音道が収まり、何枚かの板を接着していく。その接着面のボンドの厚みが誤差につながったようだ。
 その誤差を本体の後部に集め、最後にホーン開口部の補強のために貼る側板2枚重ねの時に隠してしまうことにした。 
  (スワンはこの製作後、もう2組製作することになるのだが、この誤差を吸収する為、側板を少し長くしてカットしてもらった。)

 音道部の組み立てが一応終わると、側板を貼る前に、ホーン開口部など外から見える部分を黒(艶消し)のペイントを塗っておく。
  2枚重ねの外側の側板は、白鳥の羽のイメージで写真の様にカットして貼り付けたが、効果はどうだったか?。
 ネック部と本体は接着をせず、必要に応じて取り外しできるようにする。このスワンは、ユニットをTechnics EAS-10F20とFostex FF125Kの2組を自由に替えられるようにヘッド部を2組製作した。

 塗装の下準備は、ペーパーや木工パテで表面の凹凸を平らにし、トノコで目止めをする。シナ合板は表面が綺麗で、塗装をしなくても良いのだが、切り口が気になるので、白鳥のように真っ白に塗ることにした。白く塗ったスピーカーはこれが初めてである。
重ね塗りを5回ほど施して、ようやく真っ白に仕上がった。



第1作目(平成16年1月12日完成)
第2作目(平成16年7月3日完成)
第3作目(平成17年7月5日完成)
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