袴ヶ岳
から
   三郎ヶ岳 高城山



                平成19年5月12日 晴れ




  袴ヶ岳と三郎ヶ岳は奈良県宇陀市榛原区諸木野の旧伊勢本街道石割峠近くの山である。袴ヶ岳は6年前に登った時に、山頂尾根にピンクの小さな花を付けた岩カガミの群生が印象に残った山であり、三郎ヶ岳は展望のすこぶる良い山である。

   今回は、岩カガミの群生を見たくて、まず袴ヶ岳へ登り、続いて三郎ヶ岳から高城山に辿るコースを歩いた。

   
   諸木集落から石割峠に延びる旧伊勢本街道を詰め、袴ヶ岳への分岐を右に折れて細い作業道を進む。周囲は杉の植林帯で作業道から尾根に取り付く辺りは間伐作業が行われているのか、伐採された木がコース上にも横たわっていて歩きにくい。

  この山はあまり登る人は少ない様で、踏み跡程度の分かりにくいコースが尾根まで続いている。尾根に近付くにつれ直登の斜面は滑りやすいうえに掴る木もあまりないため登りにくい。  
    

  尾根に上がると比較的しっかりした道が付いていて、ここまでのコースとの落差に驚く。合流点を右(西方)に取ると、ほどなく周囲は雑木に変わり明るさも一変。痩せ尾根上にちょっとした岩場もあり変化があって楽しい。  


 お目当ての岩カガミは足もとに広がるが、どうした事かまったく花が咲いていない。この前の記録を見て、同時期のこの日に合わせて登って来たのに。どうも花が終わってしまったようで来るのが遅かったようだ。

   山頂付近から人の声らしき音が聞える。珍しくこの山にも登って来る人がいるんだ。


   狭い山頂にはおばさん、おじさんのカップルが休憩されていた。先方もこの山で人と出会うとは思わなかったようで、少々びっくりされているようだった。おばさんの方は大きな声の持ち主で、地図を片手に「どのコースで登って来たのか?諸木野集落へはどう下るのか」などと聞いてこられた。尋ねると、はるばる兵庫県の西ノ宮市から来られたそうで、山の会の下見も兼ねてとのこと。
   男性の方は三角点の山を潰していて、一回登った山は二度登らないとのこと。あらためて足もとの4等三角点を見つめてしまった。
   二人は考えた末、私の地図には無いコースを諸木野集落を目指して下りて行った。


  
         袴ヶ岳山頂(標高816m)              山頂の展望(左の山は伊那佐山)

 
   山頂(標高816m)からの展望はなかなか良い、以前来た時は木々に覆われ展望は無かったと記憶している。西方にはこの後に登る三郎ヶ岳と高城山の他、大和富士の額井岳、伊那佐山、南方に竜門ヶ岳、遠くに大峰山脈や台高山脈が見渡せ、東方に曽爾方向の山々が連なる。


   下山は元のコースを引き返す。花を付けている岩カガミを探しながら歩くと、登山道から少し離れた北側斜面に少しではあるが遅咲きの岩カガミを見つけた。


   三郎ヶ岳へは、元の袴ヶ岳分岐まで戻り、少し石割峠方向へ行った所にある分岐を左の登山道を登る。
   しばらく暗い杉の植林帯の中を歩くと小屋が建っている所に着く。左の道を真っ直ぐ進むとやや小さなお堂がひっそりと建っている。明開寺奥の院である。


  小屋の方に戻り、三郎ヶ岳への道を登る。丁度先ほどのお堂が真下に見える辺りに石仏への道標があり、磨崖仏を見学する。岩の絶壁に仏像が2体、人物が1体彫られている。小さな祠もある。


   
      明開寺奥の院に立つ道標                     磨  崖  仏
 

   この辺りから周囲の木々が雑木に変わり、登山道も急坂になる。登山道の山側には鎖が取り付けられている。鎖場が終われば山頂に着く。 


   山頂(標高879m)には三角点が埋まりほぼ360度の展望が開ける。ここも誰一人いない静かな山頂である。先ほど登って来た袴ヶ岳が特異な山容を呈して印象的だ。


   昼食をとっていると3人の家族連れが高城山の方から登ってきた。しばらく展望を眺めて、石割峠へ下って行った。

   三郎ヶ岳の山頂は、展望を確保する為に、人の手で木を切り払っているようで、展望は最高である。季節も天候も1年の内でも一番良い日に登って来た喜びを感じる。
   

   再び静かになった山頂でしばらくの間のんびりと時間を過ごし、目と鼻の先の高城山へ向かう。こちら側には黄色と黒の斑のロープが付けられている。三郎ヶ岳から高城山の間は登山道を挟み、右側(南側)は雑木、左側(北側)は桧の植林でしっかり踏まれた登山道である。雑木の合間から、袴ヶ岳が綺麗な三角錐を突き上げている。

    
   
   三郎ヶ岳山頂(正面の手前の山は袴ヶ岳)           石割峠0.8Km 高城山へは0.9Km
 

     
            三郎ヶ岳から高城山間の登山道                  岩が露出した尾根道


   三郎ヶ岳から半時間で難なく高城山頂上(標高810m)に着いた。やや細長い頂上には東屋と少し離れて祠と案内板が建っている。三郎ヶ岳ほどではないが、ここも展望は良い。
丸太を利用したベンチも据えられていて、その上に横になっていると1時間ほど、ウトウトと寝てしまった。 


   高城山からは桜の古木で有名な仏隆寺の方へのコースを下る。こちらも鎖が付けられ、登山者の安全に気を配られている。額井岳山頂付近もそうだったが、今は市町村合併で宇陀市になっているが、以前の榛原町の時に役場がこの山域の整備をしてくれたようだ。

   ほどなく手入れされた桧の植林帯の道になり、そのまま道なりにどんどん下ると諸木集落と仏隆寺を結ぶ車道に下りた。合流点で三郎ヶ岳山頂で出会った家族連れが諸木野集落方向から戻ってきた。ここから右方向に車道を10数分も歩けば仏隆寺のある赤埴集落に辿り着く。


行  程
  諸木野集落・・・<旧伊勢本街道>・・・袴ヶ岳分岐⇒<20分>⇒尾根⇒<10分>⇒袴ヶ岳山頂⇒<25分>⇒旧伊勢本街道⇒<2分>⇒三郎ヶ岳分岐⇒<25分>⇒明開寺奥の院⇒<3分>⇒磨崖仏⇒<10分>⇒三郎ヶ岳山頂⇒<30分>⇒高城山山頂⇒<20分>⇒車道合流

  


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