蒜山三座

   下蒜山(標高1100m)

    中蒜山(標高1122m)

       上蒜山(標高1202m)

  登山日 平成22年9月27日 晴れのち雨


  蒜山(ひるぜん)三座は、岡山県と鳥取県の県境にある1100mの山で、約60万年前に火山活動を停止した死火山である。麓一帯は、ジャージー牛の放牧地などに利用され、広漠とした蒜山盆地の風景を見ることができる。。蒜山は、下蒜山、中蒜山、上蒜山の三座の総称で、笹原の縦走路やブナや雑木の稜線歩きは雄大な景色も手伝って、登山と高原歩きをたっぷりと満喫できる山域である。蒜山高原一帯は大山壱岐国立公園に指定されている。

  蒜山の登山口は3つあり、下蒜山は挟(いぬばさり)峠から、中蒜山は塩釜から、上蒜山へは三木原から登るが、塩釜から登るコースが一番整備され、登山者も多いようだ。今回は、三座を縦走するため、犬挟(いぬばさり)峠の下蒜山登山口から下蒜山、中蒜山、上蒜山へと辿り、牧場がある上蒜山登山口へ下ることにした。


犬挟峠

下蒜山登山口

取り付き直後

登山道の案内板

  中国自動車道落合I.Cから米子道を乗り継ぎ、蒜山I.Cで下りる。鳥取県関金町へ越える犬挟峠が下蒜山登山口で、峠には駐車場と東屋がある。ここから下蒜山へ細い道が続いている。

  しばらくは雑木林の緩やかな登山道だが「頂上まで1時間40分」の案内板の所から急登に変わる。階段状に付けられた登山道の所々にロープや長い鎖が設置されている。しばらく急な登りが続くが、短時間でぐんぐん高度を稼ぐ。


5合目

背後の風景

前方に下蒜山が

  5合目の標識がある辺りから展望が開け、前方にはこれから登る下蒜山が聳え、登山道が稜線に延びている。振り返ると笹原の高原に一筋の登山道が続いている。

  広々とした雲居平を過ぎると登山道脇にはリンドウや桔梗など秋の花々がひっそりと咲いている。 気持ちの良い稜線歩きと広大な景色に見とれる。7合目あたりから再び急登となる。9合目で一旦緩やかに下って登り返すと、ようやく下蒜山頂上に到着。


雲居平

広い笹原の登山道

波打つ尾根の登山道

9合目への登り

  頂上は、ほぼ360度の展望が広がり、西方にはこれから辿る中蒜山と上蒜山が連なる。大山は残念ながら上蒜山の影になり見ることができない。南方には広い蒜山盆地(高原)が広がり、北方には日本海が見える。
  やや広い山頂には、三角点が埋まっていて ベンチも2つ置かれている。落ち着く山頂である。



下蒜山頂上

中蒜山(左)と上蒜山(中央)


  しばらく休憩をとり中蒜山へ向かう。雑木林の中の急な下りを慎重に辿る。朝露に濡れて火山地質の黒い土の下りは滑りやすく、不注意に下ると危険である。
  再び、展望の良い笹原の稜線になり、前方には中蒜山、上蒜山へと続く登山道が広い稜線にうねるように延びている。振り返ると下蒜山の山頂がどんどん遠のいていく。ここから眺める下蒜山の山容は堂々としている。 広々とした笹原の稜線にはススキの穂が出だし、秋の涼風になびいている。緩やかなアップダウンを経てやや深い鞍部まで下る。鞍部のフングリ乢(タワ)から中蒜山への登り返しが始まる。



下蒜山から中蒜山へ

遠ざかる下蒜山

中蒜山頂上手前


  塩釜冷泉への分岐を過ぎるとたおやかな山頂稜線に避難小屋が見えて来た。山頂までもう少し。
標高1122mの中蒜山の山頂は、下蒜山の山頂に増して展望がよい。上蒜山が直ぐ東隣に見える。上蒜山へ延びる登山道に目をやると、比較的緩やかな下りで、見た感じでは1時間もあれば山頂へ着けそうだ。



広々とした中蒜山の山頂

西方隣に上蒜山が

上蒜山へ向かう


  展望を充分に堪能して、三座最後の一座、最高峰の上蒜山に向かう。山頂から避難小屋まで戻り、分岐を上蒜山へ辿る。緩やかな下りを上蒜山の山容を眺めながら慎重に下る。下蒜山と中蒜山間の鞍部下りに比べると、高低差が少なく距離も短い分、気が楽であるが、上蒜山の登り返しは結構急な登りが続く。この急登箇所にもロープや鎖が設置されているが、ロープや鎖を必要とするほどではない。ただ、このコース全般に言えることだが、滑りやすい土で、慎重に歩いたつもりだったが二度ほど足を滑らせてしまった。
  上蒜山は、三座で最も標高が高いだけあって、背後の中蒜山、下蒜山の頂上が同じ高さになっても、なかなか頂上に着かない。
上蒜山山頂付近は、木々に覆われて、草原状の下、中蒜山とやや趣が異なる。山頂手前で、この日初めて登山者にすれ違った。
 


上蒜山への稜線

最後の登り

中・下蒜山を振り返る

上蒜山頂上

 

  ようやく辿りついた山頂は雑木の中で展望はなく狭い。魅力の乏しい極普通の山頂といった感じ。
地図を確認すると、このピークのすぐ西側に三角点が埋まっているようだが、本当の山頂はどちらなんだろう。踏み跡程度の道が付いているので隣のピークへ行くことにしたが、かなりのブッシュで立ち往生。途中から引き返し、三木原の登山口へ下ることにした。



山頂を辞し三木原へ下る

展望の良い8合目

遠くに大山を望む

6合目の下り


  しばらく雑木の登山道を下ると展望の良い稜線の登山道に変わる。蒜山高原を見下ろしながらの雲上ハイキングである。特に8合目の稜線からは、東西に連なる三座が一望できる。反対側の西側には伯耆富士大山が見え、その北東に延びる矢筈ヶ山や甲ヶ山の突こつとした尾根が望むことができる。



上蒜山(左端)、 下蒜山、中蒜山 (8合目登山道から望む)


 下界の広々とした風景を正面に据えどんどん高度を下げる。朝から素晴らしい天気だったが、5合目付近からぽつぽつと雨が落ちてきた。あと30分程度で登山口に下り立つがレインウェアを着る。

  樹林帯まで下りてきたが、ここも足元が滑る斜面。素晴らしい展望と高原状の快適な登山を満喫できる蒜山三座縦走路だが、雨の日の登山はちょっと控えたほうがよさそうだ。

  ようやく登山口に着き、タクシーで車を置いた犬挟峠まで戻る。 運転手さんに教えてもらった蒜山やつか温泉快湯館に行くとあいにく定休日、急遽、休暇村蒜山高原((旧蒜山国民休暇村)の天然温泉「高原の湯」に向かう。
  ラドン温泉に浸かりながら望む蒜山三座は、この日はすっかり厚いガスに覆われていた。



行 程

 下蒜山登山口(犬挟峠)⇒<50分>⇒雲居平⇒<40分>⇒下蒜山⇒<45分>⇒フングリタワ⇒<45分>⇒中蒜山⇒<60分>⇒上蒜山⇒<80分>⇒上蒜山登山口


蒜山三座縦走GPS軌跡


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