大峰山系

 天 和 山

      (標高1284m)



            平成26年2月12日 晴れ


天和(てんな)山は、大峰山系の明星ヶ岳から西方に延びる支稜上のピークで、大峰主稜を横から眺められる展望の山として人気がある。奥深い大峰の山々の中でもアプローチが比較的良く、特に雪を頂く大峰の山々を実に神々しく見せてくれるため、冬の天和山はお勧めである。

天和山へは五條市大塔町の高野辻から滝山を経て稜線を天和山へ辿るルート、栃尾山から尾根伝いに歩くルートなどがあるが、一般的には和田発電所から登るルートがよく使われている。今回は久しぶりに和田発電所から登ることにした。


天川村栃尾から望む天和山

登山口の和田発電所

正面右手の小橋が取り付き

ザックにアイゼン、ワカン、ピッケルを入れ、自宅を出発。国道169号を南下し、大淀町から国道309号を天川村へ。天川村川合から天ノ川沿いを和田まで下る。登山口近くの和田郵便局付近に車を駐車し、和田発電所に架かる天和橋を渡る。取り付きは右手に架かる小さな橋で、植林帯の溝状に凹んだ登山道を登る。右側には荷揚げ用のモノレールが道沿いに付けられている。展望の利かない登り道だが、ジグザグに付けられた緩やかな道で歩き易い。数センチの雪が積もる登山道だが、凍てはなくアイゼンは付けずに登る。登山口の和田発電所から尾根まで送電用の鉄塔が7基建っていて、登山道も概ねその鉄塔に沿うように延びている。

天ノ川と唐笠山(左奥の三角の山)
植林帯の登山道

登山道は杉の植林帯で単調だが、それぞれの鉄塔周辺は木々が払われて見晴らしがよく休憩場所に良い。振り返ると武士ヶ峯や高城山、天狗倉山の稜線が見える。登山道右手の木々の合間から覗く端正な山容は唐笠山である。3基目の鉄塔を過ぎ旧道・新道分岐を新道へ進む。4基目の鉄塔手前は急な直登となる。4基目の鉄塔からは展望が開け、稜線に建つ鉄塔が見えてきた。稜線の東方には3つのピークが連なっているが、天和山は一番奥のピークで、霧氷が付いている。


4本目の鉄塔から天狗倉山の稜線を望む

4本目の鉄塔から望む天和山(左奥)

一息入れ、更に稜線を目指す。しばらくして現れたロープが張られた急な斜面をトラバース、狭く足場の悪い道を慎重に進む。徐々に雪の量も多くなり、周囲の木々には霧氷がびっしり。
この辺りは道標や登山道の印が無い上、登山者の足跡も無い。ルートを間違えないように登る。折れ曲がるように登る道から真っ直ぐに登る急な道に変わると稜線はもうすぐだ。
1183mのピークの手前を左手にトラバースして近道をする。稜線の尾根道に合流して、遥か下方から仰ぎ見た稜線の鉄塔脇を通り川瀬峠に下る。夏道だとここから天和山頂上までは20分余りか。


稜線の鉄塔からの眺め

青空に映える霧氷

川瀬峠

稜線にも登山者の足跡が付いていない。積雪は10cm程度でワカンは必要ないが、天和山手前の急な登りで踏ん張りが利かず何度もヅルヅルと滑る。息が上がり急にペースが落ちる。雪の無いシーズンだと自然林と笹が覆う気持ちの良い稜線歩きなのだが、雪が深くなると登りにくい登山道に変わる。右手(南方)に樹木々の合間から大峰の山並みが見えてきた。稜線に出てから約1時間を要してようやく3つ目のピーク、天和山の頂に到着。霧氷に覆われた木々の中に、ひょっこりと三角点が雪の中から頭を出していた。


なだらかな稜線

三角点が埋る天和山山頂

山頂から望む稲村ヶ岳

山頂からは展望は利かないが、15mほど南東に下って、木々が払われた展望の良い斜面に出た。視界が急に広がり、目の前に弥山を中心とする大峰の主だった山々がパノラマで見渡せる。手前の木々も霧氷がびっしりと付き、眺めは最高である。一際目に付くのが真っ白に雪化粧したカール地形のような神仙平。北アルプスの穂高涸沢のように見える。登山の疲れを忘れて、しばし雄大な大峰の風景に見とれる。神々しい。



天和山山頂から望む大峰の主稜 (中央の真っ白な所が神仙平)



帰りはワカンを付けて元のルートを戻る。随分歩き易くなった。時々、甲高い鹿の鳴き声が聞こえて来たが、今日も誰一人出会わない静かな山歩きだった。帰り道、下市の町は初市(初恵比寿)で賑わっていた。



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