大峰山系

    観 音 峯
     
                (標高1,347m

    登山日 平成24年5月18日(金)



  観音峯は、麓に洞川温泉や御手洗(みたらい)渓谷がある標高1,347mの低山。近年登山道も整備され、標高1,210mの展望台からは、
稲村ヶ岳や弥山、八経ヶ岳など大峰の主峰が望められ、ハイキング気分で登れる展望の山として人気がある。
  登山口は、洞川温泉手前の虻(アブ)トンネル東出口の観音峯登山口休憩所で、駐車場やトイレがある。

 観音峯がある奈良県吉野郡天川村は、南北朝時代の伝説を今に伝えている村で、観音峯の登山コースには南朝ゆかりの石碑などが立てられ、観音峯の山名の由来やその歴史を知ることができる。登山道入り口から山頂までのルートは、これまでも紹介しているので、こちらをご覧ください。


水場(観音の水)

観音平

 駐車場から山上川に架かる短い吊橋を渡ると御手洗遊歩道と合流し、道標に従い観音峯へと向かう。途中に観音の水が湧き出る水場があり、そのすぐ先に第1展望台がある。苔むした石灰岩がゴロゴロと積み重なる登山道脇を過ぎ、緩やかに登っていくと、程なく休憩所が建つ観音平に着く。

  天川村は南北朝時代には、南朝方の重要な拠点として後醍醐天皇、護良親王、後村上天皇、長慶天皇、後亀山天皇などを擁護し続けた。観音平には後村上天皇が吉野から天川に落ちのびられた時や大塔宮護良親王が合戦で破れた後、からくも身を隠したと伝えられている岩屋がある。この岩屋は現在後村上天皇の守り本尊といわれる十一面観音がお祀りされ、毎年5月2日には南朝天皇の威徳をしのんで観音会式が行われ、私も何度かこの日にお参りをした事がある。

 


展望台から南方向を望む(左から鉄山、弥山・八経ヶ岳、頂仙岳)


  観音平休憩所脇の急な階段を登り、桧の植林帯のジグザグ状に付けられた急登を登り切ると、前方の視界が開け、大峰の山々が目に飛び込んでくる。
  観音峯展望台と刻まれた大きな石碑が正面に据えられ、ここからは山上ヶ岳から特徴ある大日山の岩峰や稲村ヶ岳、バリゴヤの頭、弥山、頂仙岳など大峰の山々がパノラマで展開する。


展望台と大日山・稲村ヶ岳

展望台と大峰主峰の弥山

  雄大な展望を楽しんで観音峯頂上に向かう。やや急な斜面の登山道を登り、1285mのピークを越え、ゆるく下って登り返す。登山道の周囲は新緑のブナやナラなどの自然林に覆われ、清々しい。
  やがて左側に植林帯が見えてくると間もなく頂上である。山頂には三等三角点が埋まっているが周囲は雑木に覆われ展望はない。
尾根道に簡素な山名プレートが立ち三角点がぽつんと埋まっているだけで山頂の雰囲気は少ない。
 


観音平の一人静の群生

ブナの巨木

  この日は平日の登山で、登山口から山頂までの間、誰一人出会わない静かな山歩きだった。新緑に覆われるこの時季は、どこの山に登っても気持ちが良いが、特にこの観音峯の山中に、ひっそりと咲く一人静(ヒトリシズカ)やヤマシャクヤクの清楚な花は、展望台からのダイナミックな眺めとは反対に、どこか悲しい南朝の歴史と重なるものを感じてしまう。観音峯はロマンと歴史の山でもある。




観音峯山頂(標高1347m)


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