大峰山系

  観音峰 から 三ッ塚へ 
     
(標高1,247m)      (標高1,380m)  


        登山日 平成21年2月22日(日)曇り



   観音峰は、大峰山系の山上ガ岳から西にのびる尾根の北端にあり、山上川と白倉谷に挟まれた稲村ケ岳の派生峰である。標高は1,247mで、大峰山系の中でも目立たない山ではあるが、アプローチが良く、展望台からの眺めが頗る良いため人気の山となっている。また、山裾の御手洗(みたらい)渓谷は特に秋の紅葉は見事である。

今回は、雪を被る稲村ヶ岳を見たさに、観音峰から三ッ塚(標高1,380m)へ辿り法力峠を経て洞川へ下り、近畿自然歩道を歩いて出発点の観音峰登山口へ戻るコースを歩くことにした。


    
駐車場から登山道に架かる吊り橋            ルート唯一の水場 「観音の水」


  天川村の虻(あぶ)トンネルの観音峰登山口には、休憩所やトイレが建つ駐車場があり、近登山道が整備され、観音峰展望台までのコース歩きやすい。駐車場から山上川に架かる吊り橋を渡り杉の植林帯の登山道に入る。登山道の所々に、南北朝と観音峰にまつわる説明板が設置されていて興味深い。


     
しばらく杉の植林帯を登る                   第1展望台(正面は弥山)


  登山口から約10分の所に湧水の観音の水場があり、谷に架かる短い橋を二つ渡ると丸太で土止めした階段が続く。左手に大岩が現れ、その岩の上に展望台が据えられている。そう広くない展望台には展望図が設置され、八経ケ岳,弥山,頂仙岳などが望まれる。


  
丸太の階段が続く          石灰岩の岩がゴロゴロ         休憩所が建つ観音平


  小休止して、観音平へ向かう。苔むした石灰岩がゴロゴロした所を過ぎると傾斜も緩くなる。周囲が自然林に覆われるともう少しで観音平である。観音平には木の鳥居と立派な休憩所が建っている。展望はないが、木々の合間から特徴あるバリヤゴヤの頭や弥山が見えている。


  
休憩所横の階段を登る       歌が刻まれたお歌石(正面)    観音の岩屋(中に観音を祀る)      


  ここからまっすぐに延びる石の階段を登る。お歌石を過ぎ、『観音の岩屋』の標識で右手に取り観音の岩屋まで足をのばす。南北朝の動乱期に後醍醐天皇の子、大塔宮護良親王がこの山中に逃げ込み、この窟に一時身をひそめていたと伝えられている。今はその岩屋の中には観音様を奉られている。


     
木々の合間から見る弥山(標高1895m)           一帯は石灰岩の岩が露出している


  元の登山道まで戻り、展望台へ向かう。広い雑木林の斜面から檜の暗い植林帯に入ると登山道は急になり、ジグザグに登る。植林帯を抜けるとカヤトの尾根に出て、視界が急に開ける。「観音峰展望台」と彫られた大きな立て石が正面に立ち、右手に岩峰の大日山と稲村ヶ岳、バリゴヤの頭、弥山、頂仙岳がパノラマで広がる。雪化粧した稲村ヶ岳を期待したが、少し残念である。


      
北方向の眺め(中央部は洞川の集落)          左:大日山と稲村ヶ岳 右はバリゴヤの頭


  数人のハイカーが食事をしている。展望をカメラに収めて観音峰山頂へ向かう。次のピーク(1,285m)辺りから登山道の所々に雪が残っている。再び檜の植林帯に入り、単調な登山道を登る。やがて左側が植林帯、右側が自然林のルートになり、その境に沿って登り切ると小広いなだらかな山頂に着いた。三等三角点が埋まる静かな山頂である。周囲は樹木で覆われ、展望はない。幾つかの山名プレートが架かっているだけの地味な山頂である。


  
この時期雪が少ない登山道      檜と自然林の境を登る        静かな観音峰の山頂


  ここで昼食にして、三ッ塚へ向かう。自然林の尾根道で落ち着く。右手に見えている大日山と稲村ヶ岳の形も進むにつれて徐々に変わって行く。アップダウンを繰り返して1,380mの三ッ塚山頂に着いた。展望も三角点もない地味な山頂であるが、観音峰山頂より130m余り高い。立ち止まることなくそのまま法力峠に下る。


  
三ッ塚へ通じる登山道        三ッ塚山頂(標高1380m)      法力峠(稲村ヶ岳登山道)


  途中の尾根で、右手に曲がる箇所をまっすぐ進んで、途中から引き返すロスをしたが、急坂を慎重に下り、ようやく法力峠に着いた。法力峠は、稲村ヶ岳登山道の観音峰分岐となっている。ここから洞川までは、よく踏まれた登山道で、ひたすら下るのみである。稲村ヶ岳登山口に下りてここから車道を歩く。日頃、賑わっている洞川の町も今日はひっそりしている。

  
五代松鍾乳洞入口           稲村ヶ岳登山口            御手洗渓谷遊歩道


  村営洞川温泉の横から山上川沿いに付けられた御手洗渓谷散策道に入った辺りから雨がポツポツと落ちてきた。ザックの底から合羽を出すのも面倒なので観音峰登山口へ急ぎ足で歩く。駐車場に戻った時は、他のハイカーの車は全て帰り、静まりかえっていた。


余談
  この登山は高くついてしまった。というのは、翌日の夜、GPSの軌跡をパソコンにダウンロードしようとしたがGPSが見あたらない・・・、そういえば、観音峰登山口の駐車場に戻ってザックを車に入れる時に、GPSを車の天井に置いて、それを忘れたまま車を発車して帰ってきたのだ。
  すぐに虻トンネルの駐車場へ車を走らせた・・が、GPSの破片すら発見できなかった。突然の出費は痛いが「イートレックス ビスタ HCx」を注文することにした。

                            

行 程(休憩時間含まず)

観音峰登山口→<40分>→観音平→<9分>→観音の岩屋→<17分>→観音峰展望台→<25分>→観音峰山頂→<25分>→三ッ塚山頂→<45分>→法力峠→<70分>→洞川→<20分>→(みたらい渓谷遊歩道)→<40分>→観音峰登山口



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