北アルプス
鹿島槍ヶ岳
(標高2889m)
登山日 平成27年9月28日(月)〜29日(火)
鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)は、北アルプス後立山連峰の盟主とされる標高2,889mの山。
山頂は南北二つの頂上を持つ双耳峰である。
今回は、北アルプスでも最も登り易いコースと紹介されている柏原新道コースを1泊2日で往復することにした。
柏原新道登山口は、黒部立山アルペンルート扇沢ターミナルの少し手前の緑色の橋の袂(扇沢出合)にある。
登山口には、登山相談所と記されたプレハブ小屋があり、そこに登山届を出すことになっている。
近くの無料駐車場に車を止め、午前6時20分に登山開始。
登山口から稜線に建つ種池山荘までは、標高差1,120mの登り。
登山道は扇沢沿いに開かれていて、直ぐにジグザグの急登になる。
登山道は整備が行き届いていて、歩きやすい。
30分ほど登ると八ツ見ベンチと記され黄色い標識が目に入り、プレート越しに針ノ木岳が望める。
登るにつれ視界が開け、扇沢駅が見下ろせるようになる。
約1時間の登りでケルンに、続いて駅見岬へ到着。
中間地点を少し過ぎた辺りから木々の間から稜線が見え始め、その稜線に種池山荘が確認できる。
登り始めて2時間、大きな石がゴロゴロした石畳を過ぎ水平道付近まで来る。
登山道周辺の木々は紅葉が始まり、太陽に照らされてたナナカマドの葉は真っ赤に輝いている。
アザミの花が沢山見られるアザミ沢そして広葉樹が色付く黄金峰を過ぎ、鉄砲坂の急な石段をしばらく登る。
急に前方の視界が開け、笹原からお花畑に続く石段の先に三角屋根の種池山荘が見えだした。
開けたお花畑の石段を登りきるとようやく標高2450mの種池山荘に到着。
展望が更に開け、針の木岳や立山の稜線、爺ヶ岳などが見渡せる。
しばらく山荘の前のテラスで休憩をとる。ピザが焼き上がったとの山荘の案内でピザを注文し、分けて食べる。
種池山荘から爺ヶ岳山頂までは小1時間の行程。テラスから望む爺ヶ岳はたおやかで形が良い。
長い休憩をとったあと爺ヶ岳に向う。
山荘付近一帯はお花畑が広がり、花のシーズンはさぞ綺麗な花々が咲くのであろう。
種池山荘から少し登ったところから振り返りると、劒・立山連峰の勇姿を望むことができる。
印象に残る風景だ。
爺ヶ岳のなだらかな稜線は紅葉が始まり、錦を纏った役者のようである。
左手には、明日登る鹿島槍ヶ岳が望め、その手前山腹に今日の宿の冷水山荘が見える。
爺ヶ岳への登山道の途中では、雷鳥の親子が私たちのすぐ近くで戯れていた。
種池山荘から約一時間で爺ヶ岳南峰(標高2660m)に到着。
山頂から鹿島槍をはじめ剱岳、立山、槍ヶ岳、穂高、南アルプスの山なりが一望でき、大パノラマを満喫できる。
しばらく展望を楽しみ中峰へ進む。
爺ヶ岳中峰は爺ヶ岳三峰の最高峰(2670m)で三角点が設置されているが、登山者は南峰に比べ少なく閑散としている。
2〜3枚手早く写真を撮り、早々に山頂を辞し鹿島槍ヶ岳への道を進む。
爺ヶ岳北峰は左側斜面を巻いて通過し、鹿島槍ヶ岳を正面に見ながらジグザグのザレ場を下る。
赤岩尾根分岐点・冷乗越(標高2387m)まで下る。
遠くに見えていた冷池山荘は直ぐ正面に見える。
鞍部に下り登り返すと標高2410mに建つ冷池山荘に到着。
山荘の前に木製のベンチが設置されている。
まだ山荘に入る時間が早いので、しばらくここで休憩をとる。
山荘は平日とあって比較的空いていて、ゆったりくつろげる。なかなか良い山荘だ。
部屋の窓から劔岳の夕焼けが見られた。明日も晴、今夜はスーパームーンでデッカイ満月が見られそうだ。
よほど疲れたのだろう、消灯時間前に寝入ってしまった。
翌朝5時前に起きて登山準備。
朝食を済ませ6時30分に鹿島槍ヶ岳へ出発。
山荘から少し登った所にあるテント場からは剱・立山連峰の眺められ、雲海が広がる立山の上空に夜明けの大きな月が見える。
稜線に出て、広々としたハイマツの斜面をジグザグに登れば標高2683mの布引山の山頂だ。
前方に鹿島槍ヶ岳が望め、山頂に立つ道標には1.5Kmと記されている。
山頂を素通りして少し下ってから、鹿島槍ヶ岳へ延びる登山道を登り返す。
霜柱を踏みながらハイマツ帯の岩混じりの道を登りきると鹿島槍ヶ岳南峰(標高2889.1m)に到着。
天候はすこぶる良く、黒部川を挟んで立山連峰、北方には後立山連峰、東方に八ヶ岳、南アルプスなどの山並みや富士山が望める。
北側には北峰が手の届くような距離に聳え、その先に五竜岳が続いている。
風は冷たく気温も低いが、登山道は凍ててないようなので、北峰にも足を進めることにした。
南峰からの下りは、これまでとはうって変わって急勾配の岩場で、しっかり足場を確保し、浮石を落とさないように慎重に下る。
吊尾根の岩場を登り返すと、標高2842mの北峰に到着。
南峰より標高はやや低いが、登山者はめっきり少なく、静か。山頂の雰囲気はこちらの方がアルペン的だ。
北峰から振り返る本峰(南峰)は端正な三角錐で実にいい山容で、迫力がある。展望は最高である。
北側の切れ落ちた斜面を見下ろすと北アルプス有数の難所である八峰キレットが見える。
この先の五竜岳への縦走路は変化に富んだ面白そうなルートであるが、今回はここまで。
北峰で充分展望を楽しみ下山にかかる。
辿って来た道を扇沢出合の登山口まで戻る。
途中の爺ヶ岳は山頂下の巻き道を歩き、長い柏原新道を下る。
途中から膝がガクガクになりながら、ようやく登山口に下りてきた。長い下り道だった。
帰路の途中大町温泉に浸かる。生き返った思いだ。
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