中央アルプス


 木曽駒ヶ岳(標高2956m)


               平成19年8月27日(月)晴のち曇り



  木曽駒ヶ岳は、中央アルプスの主峰で、 本岳(2956m)・中岳(2925m)・宝剣岳(2931m)・伊那前岳(2883m)等からなる山の総称で、アルプスの中でも最も手軽に登れる山の一つ。
  駒ヶ岳の名称をもつ山は全国に18座あるとのことだが、伊那谷をはさんで向かい合う南アルプスの甲斐駒ヶ岳(標高2967m)に次いで2番目の高さを有する。
 古くから信仰登山が盛んで、山頂には駒ヶ岳神社の奥院がある。


  木曽駒ヶ岳の魅力は、麓の駒ヶ根市からバスとロープウェイを乗り継いで、労なくアルプスの風景や高山植物を見ることができることである。

  よく晴れた山頂からは、富士山や南アルプス、北アルプス、八ヶ岳、御嶽山、乗鞍山、白山など360度のパノラマが広がる。

 今回は、登山が初めてという二人の同僚の参加とあって、当初、簡単に登れる立山に行く予定で出発したのだが、立山は夕方から雨との予報で、急遽この木曽駒に変更することにした。



  車を黒川平駐車場に置き、満員の登山バスに揺られてしらび平へ、そこから定員61人乗りのロープウェイに乗り継いで、2612mの千畳敷カールまで楽ちん登山。氷河の跡の千畳敷カールにはお花畑が広がり、夏の終わりにもかかわらずイワツメクサやオヤマリンドウ、トリカブトなど沢山の高山植物の花が咲き乱れ、多くの観光客が散策されていた。

 いよいよここからが登山である。登山道はテラスから駒ケ岳神社祠の前を右にカーブし緩やかに下る。この山域の象徴として聳える宝剣岳を見上げながら、しばらく穏やかな道を歩くが、八丁坂の道標辺りから徐々に勾配が増しジグザグ道が鞍部まで続く。宝剣岳の右横に鋭く尖った三角の岩が左に見えると程なく乗越浄土と呼ばれている稜線に着く。

    登山道から見下ろす千畳敷カールは箱庭のように見える。残念ながら南アルプスの山並みは雲で隠れ気味である。
   乗越浄土まで登ると、稜線がひらけ、伊那前岳、宝剣岳、中岳のほか、それに続く遠くの山々も見渡せる。


   しばらく休憩をして、中岳、駒ヶ岳山頂方向へと向かう。乗越浄土から宝剣岳方向に進み、宝剣山荘裏手で宝剣岳へのルートを左手に見送くり、中岳へと向かう。特徴のある獅子岩、岩峰の宝剣岳や稜線遠くの空木岳や三の沢岳など見飽きない。
   時々、雲の切れ間から伊那前岳の奥に甲斐駒ヶ岳が見える。ロープの張られた砂礫の道を緩やかに登っていくと中岳の山頂(2925m)に着く。

  この山域は花崗岩の岩でできているため、岩や石の白とハイマツの緑とのコントラストが綺麗である。尾根の登山道脇には高山植物の女王と称されているコマクサやトウヤクリンドウなどの可愛い高山植物を見ることができる。
 


中岳から駒ヶ岳山頂を望む

 
   中岳に登るとすぐ前方に駒ヶ岳山頂が現れる。今日は、御嶽山や乗鞍岳はあいにく厚い雲に覆われて見えない。


   一旦鞍部まで下り、駒ヶ岳山頂へ登り返す。鞍部に建っている水色の屋根の山小屋(山頂小屋)は今日は営業していないようで静まりかえっている。
  広い登山道の両脇にはロープが張られ、コースを外すことはない。

  なだらかな山頂には三角点の他、風除けの石垣に囲まれた祠が建っている。広い山頂からの展望は抜群で、周囲の山々や伊那盆地や木曽谷の集落が見下ろせる。


  この時季恒例の中学校の集団登山に出会う。地元の学校のようだが、バスやロープウェイを使わずに、麓から歩いて登って来るのだろうか。

  頂上でしばらく展望を楽しむ。同僚はそれぞれに携帯電話で記念写真を撮って職場の同僚にメールで送っている。

 
  天気は下り坂だが、明日の昼頃までは大丈夫だろうと判断して、今日の宿泊はこの山頂を少し越えた所に建っている山頂木曽小屋にする。
    山頂木曽小屋は駒ヶ岳の斜面にへばりつく付く様に建てられた小さな山小屋で、真っ赤な屋根に大きく小屋名が書かれている。

   宿泊の申込みをするため小屋に入る。夏季は大抵若いスタッフが応対してくれるが、ここは立派なおじいさんが受付けしてくれた。硬そうな雰囲気でどうも歓迎してくれているようすでもない。しかも、ひそかに心配していた中学校の集団宿泊と見事遭遇してしまった。(幸いに、この中学校の生徒は小屋の中では静かだった)


  この日の夜は皆既月食の前日とあって、綺麗な満月。月の明かりに誘われて夜の駒ヶ岳山頂へ登る。麓の夜景もよく見える。同じ部屋に泊まっている男性が、先客で写真を撮っている。満月や星を見ていると、明日の朝も穏やかな天気になりそう・・・・。

  小屋の消灯は9時。横になっていると知らぬ間に寝てしまった。夜中に時々目を覚ましたが、鼾で賑やかなこと。私は充分寝られたが、登山初心者の二人はやはり・・・・。


  早朝、目が覚めると、外は強い風と雨という情報。山も沢山登っていると、こんな時もある。

  小屋を出発するとき、小屋のオーナーらしい優しそうなおじいさん(受付時の人ではない)が外まで出てくれて、丁寧に見送ってくれた。

  幸いに雨は止んでいたが、強い風と猛烈なガスで周囲は真っ白。今日は宝剣岳と伊那前岳などへ登る予定だったが、この状況では登っても何も見えない。

  誰も居ない駒ヶ岳山頂に登り返し、濃いガスに覆われた中岳の巻き道の急な岩場でチョッとしたスリルを味わった後、乗越浄土に戻り千畳敷へと下る。

   千畳敷カールのお花畑周遊コースをゆっくり歩く。

  高山の季節の移ろいは早い。すでに初秋、中央アルプスの花の季節も終わりを告げようとしている。


  行 程

  黒川平→<バス>→しらび平→<ロープウェイ>→千畳敷→八丁坂→浄土乗越→中岳→木曽駒ヶ岳→山頂木曽小屋(泊)→木曽駒ヶ岳→中岳(巻き道)→浄土乗越→八丁坂→千畳敷→しらび平→黒川平



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