Yoshii もどき
           音場スピーカー

前置き

音楽喫茶「山」に集うオーディオ趣味仲間のKさんから不用になったスピーカーユニットFF85-K(キングコプラにマウントしていたユニットを限定版のFE88ES-Rに交換したため)を4本頂いた。前々からタイムドメインYoshii9に興味があって、いつか作ろうと私なりに図面を作りじっくり準備を進めていたところだったが、上手い具合に同オーディオ仲間のSさんからサイズがぴったりの厚紙の筒(長さ1m、外径9cm)を頂いた。早速このユニットと円筒を使って、Yoshii9もどきを作ることにした。
 


戴いた厚紙の円筒

インクリーザー

ユニットのFF85K

バッフルの製作

完成したヘッド部

紙筒にシールを貼る


シールを巻いた筒

ユニットの裏にナットを

仮想グランドに吸音材

塗装前の脚部
 準備を進めている間、一番悩んだのがスピーカーユニットの振動を紙筒に伝えない工夫と材料の調達である。
 まず思い付いたのが、スピーカーユニットを重いスタンドと支柱で固定して、筒は別の足を取り付けて振動を伝えない方法【図-1】を考えた。この方法の問題点は、SPユニット部と筒部が別々になっているため、スピーカーを移動させる度に、ユニットと筒が垂直に且つ正確に組み立てる必要がを生じ、手間がかかる点である。この点を改良したのが【図−2】で、結局はYoshii9と同じ構造になってしまった。いずれ、図−1の方法で、音の違いを確かめようと思っている。

 スピーカーユニットと円筒が揃えば、製作はいたって簡単。他の材料はホームセンターで揃える。

@ユニットの取り付け部は塩ビのインクリーザーを使い、SPユニットを浮かすため内部にウレタンゴムを貼る。ユニットは9mmのシナ合板をドーナツ状にカットしたバッフルに取り付ける。

Aスピーカーユニットの後ろに重石代わりに長さ1mのねじ棒を使う。ねじ棒はユニットの裏にナットをエポキシ接着剤で張り付ける。円筒の内部に吸音材を貼り、ねじ棒にも吸音材を巻き付ける。

B紙の筒は味気ないので木目調の化粧紙を貼りニス仕上げとし、インクリーザー等の塩ビ部は黒のラッカーで塗装して塩ビの安っぽさをスポイルする。

C台(脚)は、ドーナツ状にくり抜いたフランジ(木製)に筒を入れて固定させ、脚を取り付ける。筒は床から7〜8cmほど持ち上げるように脚の長さを調整する。

D筒臭い音、こもり気味の音の場合は吸音材を増やすと改善するが、入れ過ぎると低音が出なくなる。

視 聴
  たいていの自作スピーカーは、箱の接着剤や塗装の乾燥で、1週間程度置かなければならないが、このスピーカーは出来上がった直ぐに音出しが出来る。最初の印象は、ユニットが上向きにセッティングされているので、予想通りやや篭った音である。共鳴管の癖はないが、メリハリに欠けるのは音場スピーカーの宿命のようだ。ジャズのトリオ演奏では、ドラム、ピアノ、ベースの定位がやや曖昧になる。しかし、2〜3分ほど聴いていると耳が慣れてくるのか、これが極普通に聞えてくるから不思議である。
 クラシックの室内楽では、音場スピーカーの良い点が出て実に心地よい。音の広がりが素晴らしく、また、部屋のどの位置で聴いても音楽を損なうことはない。これまで幾つかの音場スピーカーを製作してきたが、このスピーカーは最も自然で、高級スピーカーと同じように、スピーカー本体から音が鳴っていると言う感じがしない。ただ音楽をそこで演奏しているという感じである。スピーカーが主張しないのである。オーディオシステムを正面に構え全神経をスピーカーからの再生される音楽を聴き入るには、やはり普通のスピーカーの方が音ははっきりしているし、低音も分厚く迫力音がある。しかし、このスピーカーを聴いていると、あまりにも自然でマッタリとした雰囲気に包まれ、オーディオはこれで良いのだという感じがしてくる。多分私は、このスピーカーを重宝すると思う。D-58やスーパースワンに無い、なんとも言えない魅力を秘めたスピーカーである。

ヘッド部

脚部

全体
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【図−1】
【図−2】
材料と組み立て行程
視聴はいつもの音楽喫茶「山」に持ち込んで行う。2組の筒のスピーカーの内、白い方が同時に製作したS氏のYoshii9もどき。ユニットや筒の内径、長さは同じだが、出てくる音が若干違うのは、ユニットと筒の取り付け方法の違いと吸音材の量の違いか?
D-58とFE87E(Wバスレフ)との聞き比べでは意外な結果が・・・・
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