熊野古道小辺路


    お  ば  こ  だ  け
  伯母子岳 (標高1344m)


        平成21年8月8日(土) 晴れ



 伯母子岳は、奈良県吉野郡野迫川村と十津川村の境界に聳える奧高野の名山で、世界遺産の熊野古道小辺路のきびしい山越えの山でもある。今回は、小辺路ルートの野迫川村大股から伯母子峠を経て、伯母子山へ登ることにした。

  登山口の大股には駐車場とトイレがある。短い橋を渡り集落の中のコンクリート道を登っていく。大股の集落を見下ろす所に集落の墓地があり、コンクリート道から地道に変わり軽四輪がなんとか通れる広さの林道がつづら折りで続く。

 

             


  登山道の周囲は整備された杉の植林が広がる。登るにつれて雑木林になり、しばらく急な登りが続く。傾斜がゆるむと程なく菅小屋跡に到着する。菅小屋跡には新しい休憩所が建てられている。やや開けた所で、周囲には石垣が残っていて、旅籠跡のようだ。ここでしばらく休憩する。


集落を離れ山道へ

萱小屋跡前の案内板

萱小屋跡に建つ休憩所

   ここからも登り道が続くが、途中から傾斜が緩くなって、やや平坦な明るい自然林の道になる。右手の木々の合間から形のいい夏虫山が見える。目指す伯母子岳はその陰に隠れて未だ見えない。尾根に出て桧峠を過ぎると伯母子岳がようやく左前方に見えてきた。

  熊野古道は古い石畳の道がよくポスターに出てくるが、このルートはまったく石畳も石仏なども見当たらない。しかし自然林に囲まれた登山道は歩き易く且つ明るくて気持ちが良い。


萱小屋跡からの登り

平坦な歩き易い道

山肌を削り取った道

夏虫山分岐付近

 夏虫山分岐を過ぎて、山の北東斜面に付けられた登山道を緩やかに下りる。途中の小さな沢の水場で小休止。しばらく進むとふたたび尾根に出て護摩壇山から延びる林道と合流する。ここは伯母子岳直下で、道標が立つ変形の四差路になっている。ここから護摩壇山まで12.7キロメートルとある。
 直進すると15分余りで山頂へ着くが、時間もまだ早いので左に折れ、伯母子峠へ向かう。


林道と合流し伯母子峠へ

伯母子岳山小屋

伯母子峠

  道は伯母子岳を巻いてほぼ水平に延びている。先ほどの四差路から約1kmで山小屋が建つ伯母子峠に着いた。以前なかったトイレ棟が建っている。ザックを下ろし休憩にするが、虻と蝿がまとわり付いてうっとうしい。南方の熊野の山並みを望んでいると涼しい風が吹き抜け心地よい。

 虻と蝿から逃れるように早々に腰を上げる。ここから最後の登りを詰める。明るい尾根道で山頂までは15分程のアルバイト。徐々に傾斜が増して急登になるが一気に詰める。



伯母子岳山頂から熊野の山並みを望む


  傾斜が緩くなり前方が開けてくると草原のようななだらかな明るい山頂に着いた。山頂は静かで、今日は誰もいない。遮るものが何も無く素晴らしい展望が開けて気持ちが良い。
 東方に護摩壇山、北方には高野の山々、遥か西方に大峰山脈が見渡せる。

 展望を楽しみながら昼食にしたいが、真夏の太陽が容赦なく照りつける。木陰を求めて山頂から少し離れた所へ移動し、ようやく腰を下ろす。

 汗が滝のように流れる暑い日ではあるが、空に浮かぶ雲は何となく秋の気配を感じる。
帰りは、登山口の大股へ下りてから近くの野迫川温泉に立ち寄る。登山の後の温泉は格別である。





   行 程

      登山口(大股)→<60分>→ 萱小屋跡→<70分>→伯母子峠→

        →<12分>→ 伯母子岳 →<60分>→ 大股橋詰


   
 

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