御破裂山(標高618m)

   登山日 平成22年11月28日(日)



  御破裂山(ごはれつざん)は、奈良県桜井市多武峰の談山(たんざん)神社裏の標高618mの山である。御破裂山頂上には藤原鎌足の墓所が築かれており、言い伝えによれば、国家に不祥事があると決まってこの山が鳴動するという。御破裂山への取り行きに位置する談山神社は藤原鎌足を祀っている。紅葉が特に有名で、丁度見頃を迎えて御破裂山への登山と談山神社の紅葉狩りを兼ねて明日香村栢の森から辿ることにした。


明日香村栢森バス停

丹生谷方向へ歩く

古峠へは右へ登る

   明日香村栢森は万葉集に歌われている飛鳥川の上流にあり、吉野へ通じる芋峠古道の明日香村最南端の集落である。飛鳥川に架けられている雌綱近くに車を置く。栢森で吉野町千股に通じる県道を離れて、旧道の小峠、芋峠古道を辿る。明日香地方から吉野へ最短距離で通ずるこの旧街道は、車が普及するまでは生活道路として、また旅人の行き交う道として盛んに利用されたという。今は、時々ハイカーが訪れるのみで、ひっそりとしている。

小峠から一旦役の行者の石像が立つ県道に下り再び旧道を芋峠へ急ぐ。旧芋峠は、現在の芋峠より山手にあり、竜在峠へと通じている。尾根筋に付けられた古道は、今もしっかりと踏み跡が付いているが、周囲はすっかり人工林になり展望はない。長い単調な道で、これまで何度かこの道を歩いたが、人とすれ違った記憶はない。


芋峠

竜材峠への道標

竜在峠

 竜在峠は飛鳥、吉野、多武峰を結ぶ要所で、芭蕉や本居頼長も吉野への旅人として訪れた峠である。東屋が立てられている峠は、細峠、鹿路、芋峠、多武峰への交差点となり、往時を偲ばせる。

竜在峠から多武峰へ向かう。昔から利用された道は今もしっかり付いていて、歩きやすい。時々木々の合間から、芋峠から竜在峠へ続く山並みが眺められる。緩やかな起伏を幾つか越えると視界が開けて小さな集落に着く。冬野の集落である。明日香と吉野の分岐点でかつては吉野、大峯参りの宿場であったがその面影は今は無い。今はほとんどの家が空き家のようだが、休日には家屋の掃除や畑仕事などで帰ってきているようだ。


竜在峠から多武峰へ

冬野の民家横へ出る

冬野の集落

  冬野を過ぎ、20分ほど下れば、談山神社の西門跡に着く。右手に右たふのみねの道標があり、女人禁制と彫られた石柱が立つ。談山神社は明治の廃仏毀釈までは女人禁制の寺院であったことが記されている。まっすぐ下れば談山神社に着くが、西門跡から少し下った所の三叉路を左に折れて、御破裂山へ向かう。細い地道を登ると舗装された林道と合流し、尚も林道を道なりに進むと、御破裂山(618m)山頂の藤原鎌足公墓所に突き当たる。墓所の正面から左手の細い道をすこし進むと展望所があり、奈良盆地や大和三山、二上山などが見渡せる。


談山神社西門跡

藤原鎌足公墓所(御破裂山)

展望所からの眺め

来た道を少し戻り、談山神社へおりる。途中に、談山(かたらいやま)があり、石段を登ると談山(標高566m)である。丸い形をした小さな広場は大化の改新の秘策を練った所と云われていて「御相談所」と書かれた石碑と「大化改新談合の地」の案内板が立っている。


墓所から談山へ

談山の案内板

談山

元の道へ戻り、談山神社への案内板に従い整備された階段を下る。紅葉狩りで賑わう談山神社の裏側から境内に入った。紅葉真っ盛りで境内は観光客であふれている。十三重の塔周辺は改修工事が行われているようだ。余りの人混みで、早々に境内を抜け出す。


談山神社へ下る
境内の紅葉

十三重の塔と紅葉

談山神社の正門から先ほどの西門跡まで戻り、冬野まで元の道を引き返す。冬野から良助親王御陵の横をとおり石舞台へ通じる車道を下る。

冬野から半時間ほど歩いただろうか、途中の広い三叉路を丹生谷、栢森へ通じる林道を下る。暗く細い林道を道なりに下ると、やがてヘアピンカーブして小川沿いの道になる。長い林道歩きに飽きてきた頃、ようやく栢森の集落が見えてきた。携帯電話の万歩計を見ると3万歩を越えていた。


西門跡の女人禁制石

良助親王御陵〔冬野)

ようやく栢森へ


行 程

明日香村栢森⇒<35分>⇒小峠⇒<30分>⇒芋峠⇒<70分>⇒竜在峠⇒<20分>⇒冬野⇒<20分>⇒談山神社西門跡 ⇒<20分>⇒御破裂山 ⇒<25分>⇒談山神社 ⇒<25分>⇒冬野 ⇒<40分>⇒栢森



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