大峰山系
大山蓮華が咲く
八経ヶ岳へ
(標高 1914.9m)
登山日 平成20年7月13日(日)
毎年7月の初旬から中旬にかけて、近畿最高峰の八経ヶ岳(標高1914.9m)には天然記念物の大山蓮華(オオヤマレンゲ)が咲く。
今年もその大山蓮華を見たくて弥山と八経ヶ岳へ登ることにした。
八経ヶ岳への登山道は、奈良県天川村の役場辺りから登る川合ルート、同村坪ノ内からの坪ノ内ルート(共に、栃尾辻で合流)や熊渡(くまんど)からの弥山川双門コースなどがあるが、行者還トンネル西口から登るルートは最短ルートのため、ここから登る登山者は多い。
八経ヶ岳は、深田久弥の日本100名山の一座になっているため、近年登山者が増えているが、気候の良い秋季(特に体育の日)と大山蓮華が咲くこの時期が特に登山者が多い。
この日も登山口の駐車場は既に満杯で、道路上に止めている車も多く見られた。
登山口からしばらく沢沿いを歩き、木の橋が架かった所からガイドブックに記されている正規ルートを離れ、そのまま沢沿いのルートを辿る。
しばらく沢沿いの踏み跡程度の道を辿るが、途中から沢を離れると、山の斜面をジグザグに登る道に変わる。こちらのルートを登る人はほとんどいない(一般の人は知らない)ので実に静かである。
奥駈道の合流点で一息入れて比較的緩やかな起伏の尾根道を弥山へと進む。途中、標高1600mの弁天の森(三角点あり)を通り緩やかに下ると聖宝の銅像が据えられた聖宝の宿に着く。ここから弥山へは標高差約350m、聖宝八丁とよばれる急登を一気に登りつめる。最近は道の整備が進み木の階段や梯子が据えられ歩き易くなった。右後方に先ほど踏んできた弁天の森やそれに連ねる山々が眼下にに見渡せるが、大台ヶ原はあいにくガスでほとんど見えない。発電機の音が聞こえて来ると弥山小屋はもうすぐである。
弥山小屋の前には大勢の登山者が休憩をとっている。小屋の前をそのまま通過し、鳥居を潜り2〜3分登ると弥山神社が鎮座する山頂に着く。
山頂で昼食を済ませ、早々に今日のお目当ての大山蓮華が咲く八経ヶ岳へ向かう。
一旦弥山小屋前まで戻り、小屋の前の分岐で奥駈道を南下する。すぐ前に三角錐の八経ヶ岳が座っている。一旦鞍部まで下り、登り返すと、登山道に大山蓮華を鹿の食害から守る保護柵が現れる。柵の扉を開けて大山蓮華の群生地に足を踏み入れる。
あちこちに天女の花と言われている白い花が咲いている。この大山蓮華は、一時絶滅するのではと思うほど見かけなくなり保護対策がなされた。その甲斐があって、この柵の中では以前の姿を取り戻したように思われる。
大山蓮華は、モクレン科の落葉低木で、梅雨のこの時期にややうつむき加減に清楚な真っ白な花を付ける。大峰山の深山でひっそりと咲く天女の花である。
大勢の登山者が思い思いに写真を撮っている。携帯電話の内蔵カメラで撮っている人、一眼レフデジタルカメラを構えている人など様々である。
八経ヶ岳山頂 山頂から望む弥山(手前)と大普賢岳 中央に釈迦ヶ岳右手に七面山
何枚かシャッターを切って、すぐ目の前の八経ヶ岳山頂を目指す。山頂からは360度の展望が広がる。登山記録を見ると、今回で15回目の山頂である。しかし何度訪れてもこの展望は飽きない。
時には運悪く、ガスで何も見えない山頂の日もあったが、2年前の秋に登って来た時は、御嶽や中央・南アルプスなどが見えて最高であった。
八経ヶ岳山頂を辞し、帰り道にもう一度大山蓮華をしっかりカメラに納め、トウヒやシラビソの原生林が広がる弥山を眺めながら下山についた。
行 程
行者還トンネル西口⇒<60分>⇒奥駈出合⇒<10分>⇒弁天の森⇒<20分>⇒聖宝の宿⇒<50分>⇒弥山山頂⇒<15分>⇒大山蓮華群生地⇒<10分>⇒八経ヶ岳山頂
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