奈良県川上村



  鎧 岳

   (標高541m)



   平成26年1月13日


奈良県の山で鎧岳といえば、ススキの曽爾高原がある曽爾村の山が有名であるが、こちらは吉野の鎧岳。
鎧岳(奈良県吉野郡川上村)は標高641m、眼下に大滝ダムを見下ろす展望の山である。北端の鎧掛岩には「土倉翁頌徳記念」と彫られた磨崖碑があり吉野川を隔てた大滝地区から見ることが出来る。(土倉翁:明治期に活躍した日本の山林王、土倉庄三郎
標高が低い上、登山口から山頂まで杉、桧の植林で覆われた全く登山の対象にしてなかった山ではあるが、興味半分で登ってみた。


鎧掛岩の麿崖碑「土倉翁頌徳記念」

大滝ダムから望む鎧岳

このマイナーな山に登るきっかけは、大滝ダムの見学に行った時に、、堰堤の北側の山の頂きに、展望台が建てられているのに気づいたからである。大滝ダムは、建設計画から50年経ってようやく完成したアーチ式のダムで、堰堤の高さは100mある大きなダムである。この展望台は、川上村が観光の目的で設置し、同時に展望台までの登り道を遊歩道として整備したようだ。登り口を役場に尋ねると、村のトントン館から吉野川にかかる吊橋を渡って、車道を少し東の方向に歩くと東屋が立つ登山口(東川ルート)があるとのこと。
早速、このルートから登ってみたが、その後、大滝ダムからも簡単に登れる道があることがわかり、以後両ルートを足慣らしや体力保持の目的で時々登るようになった。
鎧岳頂上展望台へのルートについて、大滝ダムの方から登るルートと北側の東川から登るルートを記したので、ご参考に。



大滝(ダム)ルート


 橿原市から国道169号を南下、吉野町と川上村の境にある五社トンネルを出て西河地区、続いて大滝地区へ。国道を更に南下、前方左手にダムの堰堤を見ながら、次のトンネルを潜る。程なく左手に見えてくる大滝ダムへの進入路に入る。堰堤の手前の駐車場に車を置き、堰堤の上を対岸まで歩く。堰堤の向い側の山の中腹に東屋が見え、山の頂に展望台が小さく見える。


ダムの堰堤を渡る

展望台への登り口

振り返るとダム湖が・・

堰堤を渡り切り、右手に延びる車道を少し進むと遊歩道入り口の道標が立っている。展望台へはここから長いコンクリートの階段が続いている。やや急な階段だが、常に眺めが良いので苦にならない。この階段は、中腹の東屋の手前まで続いている。登るにつれてダム湖の風景が広がり、展望は更に良くなる。
長い急な階段を7〜8分ほど頑張れば小さな東屋に到着。休憩を兼ねてダムを見下ろすのに絶好の場所である。

階段が切れると中腹の東屋

東屋からの眺め

東屋から植林帯へ

ここからはハイキング道のような歩き易い山道をになる。このルートには間伐材を使って緩い階段状に整備され、所々に木のベンチが設けてある。
展望の利かない植林帯だが馬酔木などの低木も多く見られる。大滝ルートは南斜面ということもあって東川ルートより広く明るい雰囲気である。またこのルートは急な登りがなく、東川ルートより登り易い。

緩やかな登りを詰めると尾根に出る。尾根の合流点には休憩所が設置されているので一息入れると良い。ここで左手に折れ西方の山頂に向かう。


途中に設置されたベンチ

緩やかな登り道

尾根に合流

合流点から尾根道を緩やかに50mほど下ると、東川ルート(直登コース)との合流点、更に進み登り返しの階段が現れたら最後のアルバイト。長い階段の途中から前方に展望台が見えてくると、山頂はもうすぐである。階段は展望台のすぐ前まで続き、展望台横から右手への踏み跡を30mほど進むと標高541mの山頂に着く。周囲は桧の植林帯で展望は無く、寂しい山頂だ。細い桧に「鎧岳」と書かれた小さなプレートがひっそりと架かかっている


合流点から尾根道を北へ

山頂への最後の階段

山頂横に建つ展望台

展望台の方へ引き返し展望台の階段を登る。南方の視界が開け、白屋岳、白髭岳の他、明神岳などの台高山脈が展望でき、眼下には大滝ダムが見える。
展望台の北側には、すぐ向い側に白倉山(標高582m)が同じ高さに見え、その右側遠方に龍門岳や烏の塒屋山(からすのとややま)などの山々が望める。この展望台にはこれまで何度も訪れたが、ここでハイカーに出会ったことが一度も無い。いつも貸切り状態で静か、落ち着く。


山頂から展望台を見る

展望台からの展望(南方)

展望台から北方を望む




東川(うのがわ)ルート

 
国道169号の五社トンネルを出て道なりに進むと三叉路で吉野川に突き当たり、国道は右にカーブする。すぐに左手に吉野川に架かる鉄骨の橋が見えてくるので、その橋を渡り更に道なりに進む。川上村森林組合林業総合センターを過ぎ、トントン工作館から吉野川を跨ぐ(友遊橋)を見送る。この車道沿いには桜並木が続き、桜のシーズンにはたくさんの花を咲かせる。吊橋を過ぎると程なく右手に東屋が立つ遊歩道の入り口に着く。登り口には広い駐車があり、遊歩道の案内看板が立っている。


東川からの遊歩道入り口

スタートは沢沿いに登る

看板の右横に立つ木製のゲートが遊歩道の入り口で、一歩踏み入れると遊歩道というよりまさに山道。杉の植林帯の急登が始まる。沢沿いの細い山道に木の梯子や階段が設置されている。しかし、整備されてから随分と時が過ぎてるようで、以後あまり手入れされていない印象だ。程なく沢を離れて左手にカーブし、やがて直登の急な登りになる。遊歩道とは名ばかりで、登山道と言ってもよい。展望は全くなく、見える全てが手入れされた杉の木立。さすが吉野杉の本場である。


手入れされた吉野杉

ポツンと立つ案内板

右は直登、左は迂回道

一応遊歩道なので、ルートはしっかりしていて迷うことはないが、この急登は息が上がる。やがて道標が立つ三叉路に着く。直登すると短い距離で尾根に上がれるが、左手の道を進むと一旦平坦な道からジグザグの緩やかな登り道になり尾根に出る。どちらのルートをとっても構わないが、お勧めは左手に進むルート。距離は少し長くなるが少し変化があり、且つ楽である。


尾根までもう少し

尾根出合

尾根に出るとルートを右手(西方)に取り、緩い階段を50mほど登ると休憩所に着く。ここは大滝ダムの方からのルートとの合流点。そのまま尾根道を辿ると数分で山頂に建つ展望台に着く。(合流点から山頂までは大滝ダムルートと同じ)


展望台まで登るルートを記したが、体力がある人は東川から登ると良いだろう。手ぶらで楽に登りたい人は大滝ダムから登ることをお勧めする。景色もこちらの方が断然良い。周遊する場合は、東川から展望台まで登り、大滝ダムに下ってダム建設工事用道路を歩いて東川遊歩道入り口まで戻るのが良いだろう。




行 程 (休憩間含めず)


東川ルート
  遊歩道入り口 →<25分>→ 直登・迂回路分岐 →<16分>→ 尾根出合 →<6分>→ 山頂(展望台)



大滝ダムルート
 大滝ダム駐車場→<7分>→遊歩道入り口 →<8分>→ 東屋 →<12分>→ 尾根出合 →<6分>→  山頂(展望台)

(大滝ダムからの所要時間が東川ルートに比べて短く、早く山頂に着くのは、大滝ダムの標高が、東川周遊道入り口の地点より100m以上高いことによる)





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