大和青垣
 

 龍 王 山 (標高585m)


       平成20年3月9日(日) 晴れ



  奈良盆地の東側、ただなづく青垣の山々でひときわ高いのが龍王山である。この山には山名の由来である柳本及び田町龍王社がまつられていて、中世には山頂に龍王山城が築かれた。
  二等三角点が埋まる山頂からは、金剛 ・葛城 ・二上山などに囲まれた奈良平野と、その中に万葉の歴史に歌われた大和三山や邪馬台国の女王卑弥呼の墓と云われている箸墓古墳などを眼下に見ることができる。
 今回は、山の辺の道沿いにある長岳寺からのルートを登り、龍王山古墳群から崇神天皇陵へ下るコースを辿った。


       
長岳寺(中央)と背後に聳える龍王山           長岳寺山門の右手の駐車場に車を置く
 

  長岳寺の山門から北側に回り、柿畑の広い道を緩やかに登っていく、今日は暖かい春の陽気で白い梅が咲いている。のどかな山里風景を見ながらやがて山道へと入る。U字状にえぐられた登り道が続く。周囲は桧の植林帯で薄暗く展望は利かない。足元は、桧の間伐材で階段状に整備されていて歩きやすい。特に急な坂も無いのだが登り一辺倒で汗がにじみ出る。


       
柿畑と龍王山を見ながらのんびりと歩く         登山道途中の石不動を左手に見送る


  ルートの中間部は登りの傾斜もやや緩やかになるが、登るにつれ再び傾斜が増す。石不動を左に見て更に登る。しばらく登ると木製のベンチが設置されている。ベンチに腰を下ろし一息入れる。木々の合間から龍王山の北峰、南峰が見え出す。そして右手に三輪山が見え出すと尾根までもうすぐである。


        
周囲は桧の植林帯だが歩きやすい登山道       登山道と林道の分岐に建つ案内板とトイレ


  登山道と尾根の舗装された林道が合流する所に立派なトイレと案内板が設置されている。そのトイレの裏側に散策道が通り、尾根に忠実にルートが付いている。この散策道を辿り、先に北峰の北城址へ向かう。散策道から林道に下り、南虎口から北城址へ辿る。


    
北城への散策道                            北城の南虎口


   土塁の案内板を右手に見てロープが張られた急な坂道を登りきると広い山頂の北峰(北城本丸址)に着いた。広さは田舎の小学校の運動場位はあるだろうか、ベンチが幾つか設置され、まるで公園のような雰囲気である。西端へ進むと展望が開け、眼下に奈良平野が広がる。しばらく展望を眺め、少し戻ってベンチに腰を下ろす。誰一人いない静かな山頂である。時々、野鳥の声と風が吹く度に木々の枯葉が擦れる音だけが聞える。


    
広々とした北峰(北城本丸址)頂上                眼下に奈良平野が広がる


  20〜30分ベンチで座っていただろうか、北城址を辞し、南峰の南城址へ向かう。歩いてきた散策道を戻り、先ほどのトイレから林道を藤井集落の方へ歩いて南峰への山道へ折れる。先ほど歩いてきた北峰と東屋が少し低く見える。明るい尾根歩きで、前方の高台(山頂)に登山者グループが休憩している。南峰の山頂には二等三角点が埋まり、西方には先ほど北峰で眺めた風景を更に上回る広さの展望が広がっている。

    
南峰(南城址)への上り口(左)                尾根道から北峰方向の展望

  南峰の頂上は、北峰ほどの広さは無いが、やはり平坦な地形で十数人の登山者が思い思いに休憩していた。
展望は、北峰以上に良く、大パノラマで奈良平野が見渡せ、その中に湖に浮かぶ島のように見える大和三山の畝傍山や耳成山、眼下の前方後円墳、崇神天皇陵や景行天皇陵など歴史資料館のミニチュア模型を見ているようである。
  南方の音羽山が見える場所に腰を下ろし、昼食にする。食べ終わるころには、山頂にいた登山者は次々と下り、何時しか静かな山頂に戻る。暖かい陽気と好天の下、一人ベンチで昼寝でもしたい気にもなる。


        
標高585mの南峰山頂(南城址)                山頂に埋まる二等三角点


 
山頂からの眺め(向かいの山並みは金剛山・葛城山・二上山、左端に大和三山)


  帰りは、道標に従い柳本、渋谷への道を下る。この道も階段状になっていて、展望が利かない地味なルートである。途中に龍王山古墳群と記された看板が立っている。山の傾斜に掘られた小さな古墳が無数にあり、古代の墓場である。
林道に下り、小さなダムを二つ通り過ぎると左手に龍王の滝の案内板があり立ち寄る。
やがて前方に集落が見えてきて、山の辺の道に合流した。

    
路傍の石仏が歴史を語る                林道に下ると山の辺の道も間近

  
  山の辺の道は大勢のハイカーで賑わっている。巨大な前方後円墳の崇神天皇陵の周囲をまわり長岳寺へと歩く。あと2〜3週間もすると、この歴史の道も春の花が咲き乱れる春爛漫の季節が訪れる。


    
日本最古の国道「山の辺の道」              崇神天皇稜から眺める龍王山


行  程

 長岳寺⇒<35分>⇒石不動⇒<20分>⇒尾根の林道⇒<15分>⇒南虎口⇒<5分>⇒北峰⇒<25分>⇒南峰⇒<65分>⇒龍王の滝⇒<15分>⇒崇神天皇稜⇒<13分>⇒長岳寺



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