大峰山脈

  お お  み ね  さ ん
大 峯 山 (山上ヶ岳)
                      (標高1,719m)


              平成22年2月14日(日)晴れのち曇り


 一般的に関西では、大峯山と言えば大峰山脈の山上ヶ岳を指している。大峰山系には大峯(峰)山と言う呼称の山は存在しなく、山上ヶ岳辺りから玉置山までの山並みの総称である。
  深田久弥の日本百名山の一座になっているが、百名山を目指して登る人は、大峰山最高峰の八経ヶ岳(標高1914.9m)を大峰山としているようだ。

  山上ヶ岳へ登るルートは、必然的に世界文化遺産に指定されている吉野大峰の霊場と奥駈道を辿ることになる。5月2日から9月21日までの100日間の開山期間は山頂に建つ大峯山寺や行場にお参りする山伏(信者)などで賑わっているが、閉山期間中、特に冬季は登山が困難な時期ゆえ、限られた登山者が登る以外は、ひっそりと静まり返っている。


  近年、山上ヶ岳へは、天川村洞川の女人結界門から参道を登るのが一般的であるが、大天井ヶ岳と山上ヶ岳の鞍部である五番関から登る方が変化があって、私はこのルートを辿ることが多い。今回も、五番関トンネル西口から同僚3人と山頂を往復することにした。


五番関の女人結界門

山の斜面の登山道

尾根に出る

   五番関トンネル西口から吉野山からの奥駈道と合流する五番関までは15分ほどの急登。小休止して女人結界門を潜り従来道(別に古道がある)を辿る。しばらく山の斜面に付けられた細い登山道を登る。足元には所々に雪が積もっているが、アイゼンはまだ付けなくても大丈夫だ。頭上の雑木には霧氷が付いて綺麗だ。


          
遠くの稜線は台高山脈                木々の合間から見える山上ヶ岳

  尾根に出て、見事な霧氷のトンネルとブナ林の緩やかな尾根道が続く。蛇腹と呼ばれている岩場の難所にはクラフトした雪が岩場を覆っている。設置されているロープの助けを得て慎重にクリア。背後には三角錐の大天井ヶ岳が望める。左手前方には木々の合間からこれから登る山上ヶ岳が見える。
  やがて傾斜も緩くなり、緩い下り道になると、程なく洞川からの登山道との合流点、洞辻(どろつじ)に着く。


霧氷の登山道

茶屋が建つ洞辻

洞辻から聖域に入る

  洞辻には茶屋が建っているが、もちろん今の時期は誰もいない。しばらく休憩していると、山上ヶ岳から二人の登山者が下りて来た。ずいぶんと早く登ってきたものだ。ここからがいよいよ大峯修験道の行場の登山道である。油こぼしの岩場の手前は三叉路になっていて、左側へ登れば油こぼしから鐘掛け岩へ、右側の道は山頂からの下り専用道である。今回は、危険な岩場を避け、右の下り専用道を登る。少し進むと木の階段が現れ、鐘掛け岩を過ぎた辺りまで延びている。
  


油こぼし、鐘掛け岩の迂回路

西の覗き行場


  右手前方に山上ヶ岳の山頂とその右側に稲村ヶ岳が見えて来た。参道の登山道の周囲も石塔が多く立ち並び、山岳宗教の雰囲気が立ち込める。
  前方に大きな宿坊が見え出した。少し下り、登り返すと荒行で有名な西の覗きの行場である。行場に立つと絶景である。大峯山が開いている時期は信者や観光客で賑わう洞川温泉の集落が見える。

  西の覗きを過ぎると、山頂まではもう一踏ん張りである。山頂手前の斜面には小学校の体育館ほどの大きさの宿坊が建っている。桜本坊、東南院、竹林院、喜蔵院の4つの宿坊である。(龍泉寺の宿坊は少し離れたところに建っている)


大峯山宿坊

大峯山寺山門

山頂に建つ大峯山寺

  宿坊の横を通り最後の登りを詰める。山門を潜りまっすぐに延びる参道を登り切ると大峯山寺が建つ山上ヶ岳(標高1719m)の頂上である。誰一人いない静かな山頂である。

  昼食後、お花畑に出て、日本岩へ向かう。お花畑の散策道を歩きながら稲村ヶ岳や弥山を眺める。稲村ヶ岳はこの山上ヶ岳より僅か6m高いだけでほとんど同じ高さに見える。稲村ヶ岳本峰のすぐ右側の突き出た岩峰は大日山である。お花畑には笹が足元を覆い、日本庭園のようである。


山頂のお花畑

正面に稲村ヶ岳が

レンゲ辻分岐付近

  レンゲ辻への分岐を直進すると程なく日本岩の岩壁に出る。広い岩の上から大展望が広がる。これまで四季を通じて何度もこの日本岩に登ってきているが、雪を頂いた冬の大峰連山を眺めるのはまた格別である。この場所でテント泊でもすれば、今も厳格に女人禁制を守る修験道の頂から大阪の繁華街のネオンや奈良平野の夜景が来世の如く、身近に実にきれいに眺められるのも何とも趣のあることではないか。



日本岩から弥山(左奥)と稲村ヶ岳(中央)を望む



日本岩から大天井ヶ岳(左のピーク)と吉野からの奥駈道(尾根)を望む



下山を急ぐ同僚

今回歩いたGPS軌跡



行 程

五番関トンネル西口→(15分)→五番関→(1時間50分)→洞辻→(55分)→大峯山寺(山上ヶ岳山頂)→(10分)→日本岩→(2時間35分)→五番関トンネル


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