台高山脈

 馬 の 鞍 峰
                 
                   (標高1177m)


       登山日 平成26年5月22日



馬の鞍峰は、台高山脈最奥部に位置し、春から初夏にかけてアケボノツツジや石楠花が咲く深山である。
登山口の三之公はトガサワラの原生林があり、山懐の三の公かくし平には南朝の哀史を秘めた行宮址や尊義親王御墓がある。山頂は樹木に囲まれて展望はないが、深山幽谷を辿るコースはたいへん魅力がある。
今回は、稜線にシロヤシオや石楠花の花が咲く時季を狙って登ることにした。


かくし平・馬の鞍峰登山口

沢沿いの遊歩道

木の梯子や階段


橿原市から国道169号を南下、川上村の大迫ダムの堰堤を渡り、入波(しおのは)温泉から三之公へ車を走らせる。車道終点が三之公のかくし平・馬の鞍峰の登山口(かくし平までは遊歩道)である。登り口には有り難いことに、手つくりの杖が用意されていて、自由に使わせて頂ける。
登山道は三之公川の支流に沿って北方に伸びていて、かくし平までは遊歩道として整備され、所々の難所には木の梯子や階段が付けられている。



遊歩道にしてはややハード

三之公行宮址

尊義親王御墓

三之公川支流は深山幽谷を刻む綺麗な沢で、40分ほど登ると明神滝分岐がある。ここから右手の沢の方へ下ると明神滝の滝壺に降りられる。
明神滝の上流にも変化に富んだ滝が続き、夏場の沢登りには絶好の所だ。明神滝は帰りに立ち寄ることにして、そのまま直進する。登山道は杉や雑木の中を上へと続くが、やがて沢の音が遠くになり,傾斜が緩くなると程なく三之公かくし平に着く。周りは杉の植林帯で、三之公行宮址の碑がひっそりと立っている。後南朝の悲しい歴史がこの山深い山中に残されている。三之公行宮址の碑から200mほど進むと尊義親王御墓がある。史跡・三之公廟所として川上村指定文化財に指定されている。



かくし平から馬の鞍峰へ

尾根まで急登が続く

尾根までもう一息


馬の鞍峰へは少し戻り、取り付きのテープを確認してやせた谷筋の登山道を進む。周囲は植林帯から自然林に変わり、足元にはコバイケイソウの群生が見られる。尾根までの急登は30分程だが、ザレた足元が不安定で、落石を発生しやすい。
一汗かき 尾根に出るとモミの木やブナ、ヒメシャラ、石楠花などの木々が周囲を囲む。尾根上の小さなピークを幾つか越え、石楠花の根が張ったやせ尾根を進む。シロヤシオと石楠花がほぼ満開で、白とピンクの花のトンネルが続く。西方には大峰山脈の大普賢岳、北方に綺麗な三角形をした白鬚岳が花々の間から望める。このコースは四季を通して楽しめる白眉のコースの一つであるが、特に花々が咲き誇るこの季節は見事である。



いよいよ花咲く尾根歩き

満開のシロヤシオと石楠花

花の登山道を登る


尾根に出てから約50分余りで三等三角点が埋まる山頂に着いた。8年ぶりの馬の鞍峰山頂である。落ち着いた静かな山頂は以前のまま。展望は利かないが周囲は明るく、台高山脈の池小屋山や大峰山脈も木々を通して遠くに見ることが出来る。



馬の鞍峰山頂

山頂に咲くつつじ

山頂に埋る三角点

花の無い季節の馬の鞍峰は地味な山である。しかし、昔ながらの自然がそのまま残されている山で、この山域が持つ雰囲気は他の山域ではなかなか味わえないものである。深山幽谷、後南朝ゆかりのかくし平、つつじや石楠花とヒメシャラの明るい尾根、それらは深山に足を踏み入れた者だけが得ることができる贈物ではないだろうか。いつまでも俗化されることなく、そっとこのまま残しておきたい山である。


 


シロヤシオと白鬚岳

ヒメシャラの群生地


下山途中、明神滝に立ち寄った。登山道から100m程下ると滝壷まで下りられる。落差約40mの見事な直瀑で水量も多い。明神滝は、馬の鞍峰に登ったなら必ず立ち寄るべき名瀑である。





行 程

    馬の鞍峰登山口 ⇒  かくし平・三之公行宮址  ⇒ 尾  根  ⇒ 馬の鞍峰  ⇒ かくし平・三之公行宮址  ⇒ 明 神 滝  ⇒ 馬の鞍峰登山口






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