大台ヶ原山系

   さ ん づ  こ お ち や ま
 三津河落山
   (最高峰 如来月:標高1654m)

    登山日 平成23年7月24日(日) 曇り


  三津河落山は大台ヶ原山の最高峰、日出ヶ岳(標高1695m)から北西約2Kmに位置する山で、如来月(標高1654m)、三津河落(標高1630m)、日本鼻(標高1597m)の3つのピークからなる。なだらかな尾根一帯は、笹原に覆われ、素晴らしい展望と広々とした稜線歩きを満喫できる。

  登山ルートは、大台ヶ原駐車場の約1Km手前にある川上辻からと経ヶ峰・大和岳鞍部からの2ルートである。
今回は、後者の大和岳への取り付きから登ることにした。


大和岳への取り付き

小さなピーク

  経ヶ岳を左手に見送り、大和岳手前のドライブウェイの路肩に車を止める。大和岳へのルートははっきりとした登山道はなく、稜線の僅かな踏み跡を拾いながら登る。地図で確認すると、尾根を忠実に辿ると大和岳へたどり着けそうだ。しばらく、右手からドライブウェイを走る車や単車の音が聞こえてくる。


大和岳へのなだらかな登り

登ってきたルート

大和岳山頂

  樹林帯の中を登り、ゴロゴロとした岩のピークを過ぎると傾斜も緩くなる。石楠花の群生地を左に巻くと笹に覆われた斜面が前方に広がる。朝露で濡れた笹原は、太陽の光を反射して、緑が一層映える。所々にバイケイソウの白い花が咲いているが、バイケイソウ以外の花を見ることはない。


大和岳山頂から三津河落山を望む


大和岳を振り返る

大和岳から日本鼻へ

  なだらかな笹原の斜面を登ると、やや大きな岩がピークに乗っかっている大和岳頂上に着いた。山名が刻まれた石柱がぽつんと立っている、大和岳から日本鼻への稜線はふんわりと絨毯が敷かれた様に稜線である。所々に枯れて朽ちたトウヒやブナなどが白骨のようになって横たわっている。


日本鼻から大和岳を振り返る


  一旦緩く下って更に開けた展望を眺めながら笹原の斜面を登ると日本鼻のピークである。前方にぽつんと小さく見えていた小さな建家が徐々に近づいてきた。農林水産省の建てた無人雨量計の施設だ。傍にアンテナが立っていて、自動的に雨量データを送信しているようだ。


三津河落山頂

  歩いて来た大和岳を振り返ると、白く朽ちた木の根元部分が広い笹原に点在し、まるでカルスト地形の様な風景が広がっている。 素晴らしい風景を眺めながら緩やかな笹原を登ると三津河落に到着。ピークに「三津河落」と「国境」と刻まれた石柱が立っている。朽ちた樹には山名のプレートが架かっている。



三津河落山頂風景


  いつもならここから大峰山脈が眺められるが今日は雲で見えない。正面に位置する釜之公谷から湧き上がるガスが山の雄大さを演出してくれる。この広大な笹原に立っているには、私1人である。 
  展望を楽しんで、三津河落山最高峰の如来月へ向かう。如来月へは樹林帯の中の踏み跡を10分ほど北方へ辿ると三角点が埋まる山頂に着く。狭く暗い寂しい山頂で、展望は利かないが、木々の合間から大台ヶ原最高峰の日出ヶ岳や隣の名古屋岳を望むことができる。


湧き上がる雲と稜線

三津河落から如来月へ

最高峰の如来月

  早々に三津河落へ引き返し時間がまだ早いが昼食にする。先ほどはよく見えていた展望はガスが覆い、白い世界になっている。正面眼下の釜之公谷辺りから大きなエンジン音が轟いている。倒れた樹に腰を下ろし、おにぎりを頬張っていると、ガスが徐々に切れだし再び展望が開けてきた。


稜線を辿る登山者

釜之公谷

  あとから名古屋岳の方から登ってきた3人グループがうっすらとガスが漂う稜線を大台辻の方向へ下っていった。 暫くすると釜之公谷のガスも晴れてきて、ヘリコプターがホバリングをしているのが見え出した、丹念に何かを探しているようだ。20〜30分ほど釜之公谷にとどまっていただろうか・・・、11時過ぎに現地を離れ、飛び去って行った。(翌日の朝刊で、「釜之公谷の沢登りで遭難」の記事を見る)
 


大和岳山頂から三津河落山を振り返り、下山につく


  静けさが戻ってきた。いつもなら緩やかな笹原に寝そべって、ゆっくりするのだが、今日は午後から夕立や雷が来そうなので、早々に元のルートを引き返すことにする。
  大和岳から振り返って眺めた三津河落山は、穏やかな表情で見送ってくれているようだった。三津河落山は良い山である。

 

行程
  大和岳取り付き→<30分>→大和岳→<12分>→日本鼻→<10分>→三津河落→<8分>→如来月



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