奈良県川上村

      し   ら   や  だ  け
  白 屋 岳
        (標高1,177m)



      登山日 平成24年4月2日(天候:快晴)


   白屋岳は、奈良県吉野郡川上村と同郡東吉野村との境に聳える1,177mの山である。川上村側の麓の斜面には、かつて白屋集落があった。すぐ下を流れる吉野川に大滝ダムの完成直後、集落のあちらこちらに亀裂ができ、集落全体が大規模な地すべりを生じる恐れが出てきたため、やむなく集団移転になった地区である。そのため、長い間、この地域に立ち入ることができず、白屋岳の表の登山道は利用できない状態であった。

   ようやく、白屋地区の全世帯が移転を終え、斜面の地滑り対策工事も完了したため、通行止めが解除になった。14年ぶりに白屋地区から白屋岳へ登ることにした。


白屋集落跡から白屋橋を見下ろす

白屋集落跡から延びる林道

木の梯子が白屋岳への取り付き

  国道169号を南下し、川上村役場を過ぎて短いトンネルを2つ潜ると、程なく左手に白屋橋が見えてくる。橋を渡り民家跡を眺めながら車を走らすとそのまま舗装された林道に入る。未舗装の林道に変わると程なく右手に不動明王が祭られ、すぐその先で白屋岳の文字が記された木の梯子がある。此処が現在の登り口である。


手入れされた吉野杉

地元山岳会のプレート

植林帯の登山道

  梯子を登ると林道と平行して細い山道が延びている。手入れされた吉野杉の植林帯が広がり、見事である。しばらく登ると、トタン葺きの作業小屋が建つ白倉辻に着く。標識が立っていて、直進すると北塩谷、右に登れば白屋岳である。小休止して植林帯の中の真っ直ぐに延びる登山道を登る。足元には枝打ちされた杉枝や葉っぱが絨毯のように覆っている。
   太く真っ直ぐに成長した杉は樹齢50年以上は経っているようだ。
 ここから傾斜が徐々にきつくなり、展望のない植林帯の中の道をただひたすら登って行く。ルートには、道標やテープがあり迷うことはない。


白倉辻に建つ作業小屋

白倉辻を右に取る

真っ直ぐに延びる登山道

前方が明るくなってきた

  ようやく前方が明るくなって、展望のない植林帯を抜けた。広い斜面には枯れたカヤが覆い、潅木が所々に見られる。ここから展望が一気に開けて、大峰の山々や眼下に大滝ダムのダム湖が見える。しばらく展望を楽しみながら、分かりにくいルートを、テープを探しながら慎重に登る。足元には枯れたカヤが被さるように倒れていて、滑りやすい。



 杉の伐採地からの眺め (眼下に大滝ダムのダム湖が広がる)


遠くの稜線は金剛・葛城山

笹原と大峰の山々

笹原に建つ道標

 見晴らしの良い快適な登山も束の間、再び植林帯に入り、登山道の傾斜も徐々に急になる。このルートでもっとも辛い登りが続く。ようやくピークに登り切り、緩やかなたわみを登り返すと、大峰や台高山脈を歩いているような深山幽谷の雰囲気になってきた。


再び植林帯(檜)
岩場雑じりの登り

雑木帯

バイケイソウの芽吹き


  周囲は雑木の登山道に変わり、木々の合間から白屋岳の山頂が見えている。尾根道は緩やかなアップダウンがあるが、石灰岩の小さな岩場を過ぎると石楠花が見られるようになる。大きな岩を包みこむように根を張る石楠花が右手に見えてくると、まもなく山頂である。


大岩に絡む石楠花の根

山頂手前の自然林

白屋岳頂上

  白屋岳の山頂は狭く、樹木に覆われている。三角点が埋まり、山名や標高を記したプレートが幾つか架かっている。南方向のみが開け、大峰山脈や金剛・葛城山の山並みが望める。眼下は川上村の集落とダム湖が広がる。
   山頂東側に少し下ると展望が更に良くなり、白髭岳(標高1,378m)や台高山脈が望むことができる。山頂の北側の木々の合間からは端正な形をした高見山が顔を出している。


雪を抱く大峰の山々(手前は勝負塚山と大所山)

白髭岳(中央左)と台高の山々

   山頂から北側に下るルートがある。斜面には石楠花が群生し、シーズンには見事な花が見られそうだ。このルートは足ノ郷峠から東吉野村の三尾集落に下りる道である。



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