北アルプス

      し  ろ  う  ま  だ  け
 白 馬 岳 (大雪渓〜栂池自然園)
          (標高2,932m)

     平成21年9月27〜28日 (天気 晴れのち曇り 雨)



  白馬岳は、北アルプス北部の後立山連峰に聳える標高2,932mの山で、深田久弥の日本百名山の一つ。 日本最大の雪渓、白馬大雪渓があり、その上部は日本有数のお花畑が広がる北アルプスでも屈指の人気を誇る山である。今回のルートは、猿倉から大雪渓を登り、白馬山荘で1泊し、小蓮華山、白馬大池、白馬乗鞍岳、栂池自然園へと辿ることにした。


   
     村営猿倉荘                  標高1250mの登山口        林道から見る白馬岳
 

  前日(9月26日)の夜10時に自宅を出発。東名阪、伊勢湾岸道、中央道高速を乗り継ぎ、登山口の猿倉には早朝5時に到着。2時間ほど車中で仮眠して7時から登山開始。
  猿倉の標高は1250m、白馬岳山頂まで約1,700mの標高差を登る。登り口は村営の猿倉荘の左横。樹林帯を登り、すぐに林道に出て道なりに進む。前方に秋の色付き始めた白馬岳の風景を眺めながら約1時間で白馬尻小屋に着く。今日は登山者が少なく、静かである。
  小屋の前から白馬大雪渓の下端が見える。小屋前のベンチに腰を下ろし小休止。


白馬尻小屋

大雪渓

楽しく登る同僚

   いよいよ大雪渓である。 小屋から10分ほど登ると大雪渓の取り付きであるが、このシーズンは雪渓もずいぶん痩せ、所々に空洞やクレパスが口を開けている。しばらく雪渓を横目に登り、雪渓へ安全に踏み入れる所で用意していた簡易アイゼンを取り付ける。さすがに雪渓の上は、冷気が漂い心地よい。
  雪渓の上は思ったよりも歩きやすく、着実に高度を稼ぐ。ガイドブックなどで大雪渓を登山者が一列に行列をなして登る光景をよく目にするが、今日はこの雪渓を登っている人は数人程度。少し拍子抜けである。



大雪渓の左上は杓子岳、右側奥は白馬岳


  登るに連れ、左手に杓子岳の鋭い岩峰、右手に白馬岳の稜線が覆いかぶさる。崩壊する山肌に紅葉が始まっている。
距離は2kmほどあるだろうか。所々に大小の岩や石が雪渓に不安定に乗っている。青空と白い雪渓、紅葉のコントラストに感動する。
  長い雪渓もようやく末端が見えてきた。アイゼンを外して登山道を登るが、ここからが中々の急登で距離もかなりある。
  急な斜面を登っていると、左手眼下の雪渓上端に高さ数メートルの大きな空洞が口を開けている。そのすぐ傍で数人の人が何かの調査をしているようだ。
  登山道の足元には高山植物が咲いている。小さな沢を渡りジグザグに登る。杓子岳の荒々しい岩肌が圧倒的だ。


白馬岳の山肌

杓子岳の山肌

途中の避難小屋

  岩室を越えしばらく登ると広大な花畑に変わる。遥か上の稜線に村営白馬岳頂上宿舎が見え出した。もう少しの辛抱で稜線に辿り付ける。
  杓子岳の岩峰が手の届くような距離になると、ようやく村営白馬岳頂上宿舎(標高2730m)に到着である。
  


白馬岳の稜線

杓子岳と鑓ヶ岳

村営白馬岳頂上宿舎

  小屋の前の小さな雪渓の向こう側に大きな白馬山荘が見え、背後に白馬岳山頂が聳えている。村営白馬岳頂上宿舎から白馬山荘へは比較的緩やかな尾根道で、左手の旭岳は湧き上がる白いガスに覆われている。
  午後2時40分、ようやく白馬山荘(標高2832m)に到着。白馬山荘は1,200人収容できる日本最大の山岳宿舎である。


背後は村営頂上宿舎

小さな雪渓の奥に白馬山荘が

白馬山荘は日本最大の山小屋

  山荘の受付で宿泊の手続きを済ませ。案内してくれた部屋にザックを置き、空身で白馬岳山頂を目指す。山小屋から山頂までの標高差は100m。石がゴロゴロする登山道だが、広い斜面で15分で標高2932mの山頂に到着。あいにくのガスで、ほとんど展望が利かない。
  山頂の東側はほぼ垂直に切れ落ち、危険防止のロープが張られている。覗き込むが、ガスで高度感がない。記念写真を撮って早々に山荘に引き返す。
  山荘の食事は5時30分から。食事後、6時30分過ぎに横になると、いつの間にか寝てしまい、朝の食事を案内する館内放送まで熟睡してしまった。11時間ほど寝たことになる。


       
白馬山荘から山頂を望む               山頂を目指して最後の登り


  朝の食事は午前5時30分から。気になる天気だが、曇ってはいるが幸いガスはない。遠くの山並みも見えている。
  出発は午前7時。再び白馬岳山頂へ登る。白馬山荘の背後に杓子岳(2812m)、白馬鑓ヶ岳(2903m)、旭岳(2867m)が綺麗に見え、遥か遠くの稜線に立山、剱岳が見える。


白馬山荘から望む杓子岳、鑓ヶ岳 中央遠くは立山、剱岳


  これから辿る小蓮華山へは雲上の散策路が続く。山頂を辞し、しばらく気持ちの良い稜線歩きを満喫するが、予想以上に早く雨がポツポツと落ち出した。
  天気が下り気味なので、早々に合羽を着る。ガスも徐々に下から湧き上がってくる。
  山頂から約45分ほどで三国境に到着。登山道を隔てて標識が一本づつ立っている。一方が新潟県、片方が長野県のものである。ここは、越中、越後、信濃の3国の境である。


三国境、小蓮華山への稜線

白馬岳を振り返る

三国境

  小蓮華山へルートをとり、なだらかな傾斜の登山道を登り詰める。この辺から周囲はすっかりガスに覆われ、風が強くなってきた。
長い稜線歩きで、ようやく小蓮華山の山頂に着くも、ガスで何も見えない。
  小蓮華山からの長い下り続く。うんざりしだしたころ薄っすらオレンジの物体が見え出した。近付くと登山者の張ったテントだった。続いてガスの中から赤い建物が浮かび出し、白馬大池の山小屋を確認した時は、さすがにホッとする。天気が良ければ景色の良い所なのだが・・・。
  大池の横を通り、白馬乗鞍岳への登りかかる。大きな岩がゴツゴツした岩場で登り難い。岩に付けられたルートマークだけを頼りに黙々と登る。


       
三国境から望む小蓮華山                  ガスの中の白馬乗鞍岳頂上


  乗鞍岳(2437m)は、大きな岩や石でできた山である。広い山頂には山頂標識と大きなケルンが立っている。ここから天狗原まで足場の悪い岩場下りで、しかも急坂である。周りはガスで全く見えないが、岩に書かれた○や⇒印がルートをしっかり教えてくれる。
  乗鞍岳から40分ほどで天狗原の木道に下りてきた。天狗原の木道を少し歩き再び樹林帯を下ると栂池自然園である。天気が良かったら、素晴らしい風景を眺めながらのコースなのだが、今日のような日は全く反対の辛い山行になってしまう。
  栂池自然園も閑散としている。ここからロープウェイとゴンドラを利用して栂池まで下りる。栂池に下り立つ。曇り空だが山上の濃いガスと風雨が嘘のように穏やかだった。



行 程

第1日
 猿倉⇒<1時間15分>⇒白馬尻⇒<30分>⇒大雪渓⇒<2時間>⇒大雪渓上端⇒<4時間>白馬山荘⇒<15分>⇒白馬岳⇒<10分>⇒白馬山荘

第2日
 白馬山荘⇒<15分>⇒白馬岳⇒<45分>⇒三国境⇒<45分>⇒小蓮華山⇒<30分>⇒白馬大池⇒<40分>⇒乗鞍岳⇒<50分>⇒天狗平⇒<40分>⇒栂池自然公園(ロープウェイ、ゴンドラ)⇒<20分>⇒栂池


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