大峰山系


.四寸岩山
 
        (標高1235m)


 平成26年1月24日 快晴



 四寸岩山は、大峰山脈北部に位置し、吉野山から山上ヶ岳、熊野への大峯奥駈道(山伏が修行をするための山岳ルート)のルート上にある標高1235mの山である。今回は、久しぶりに雪の上を歩きたくなって、近場の雪山、四寸岩山へ登ることにした。夏場の四寸岩山は登山口から山頂までゆっくり歩いても1時間程度で登れるハイキング程度の山である。しかし、冬、一たびドカ雪が降れば容易に登頂が出来なくなる山に一変する。今冬の大峰山系は例年より雪が深いと考え、アイゼンの他に、ワカンとピッケルもザックに取り付けて出発。

橿原市から吉野町までの国道169号には全く雪のかけらも無かったが、吉野山の奥千本にある金峯神社から先、吉野大峯林道はびっしりと雪が積もっている。登山口は黒滝村分岐を300mほど過ぎた所にあり、登山道の道標が立っている。
 登山口からしばらく緩やかな登りが続く。雪は多いが幸い登山道は凍てていない。登山道の周囲は植林帯で、作業用のモノレールが平行して設置されている。やがてモノレールは登山道から離れて行き、そこからやや急な登りになる。
雪は徐々に深くなり時々ツボ足状態になって立ち往生。登るスピードも落ち、予想以上に疲れる。積雪は場所によって60cmもある。登山口から山頂までのほぼ中程でワカンを付けることにした。ワカンはアルミ製で軽く、スノーシューよりややコンパクト。登山靴に手際よく取り付け登山再開。時折り膝あたりまで潜っていたが、沈む量は少なくなり随分と歩き易くなった。しかしまだ結構沈む。
やがて新茶屋跡からの道と合流し、そのまま尾根伝いに登る。登山道は深い雪に埋もれて判らないので、尾根を外さないように進む。遠くから正午を告げるサイレンが微かに聞こえてきた。雪のない季節に比べ、丁度2倍もの時間がかかっている。休憩を取る回数も多い。
  積雪後、誰も登っていないのか、ルートには登山者の跡が見られない。ウサギの歩いた足跡だけが延々と続いている。足の指は痛いほど冷たいが、体は汗だくである。植林帯ゆえ視界は無い。尾根の歩き易い所を選びながらしばらく我慢の登りが続く。前方右側斜面が開けて来ると山頂へはもう一息である。木々の合間から徐々に真っ青な空と真っ白な山頂が見え出した。正規の登山道は南側に回り込むように付いているが、三角点を目指して一直線に登る。


広くなだらかな山頂
南方向が開けた山頂部

  ようやく視界が開け、南方に大峰の山並みが見えてきた。広い山頂には山名板がポツンと立っているが、その足元にあるはずの三角点は雪に埋もれて見えない。山頂北側は檜の植林帯で展望はないが、南方は展望が開け、正面に大天井ヶ岳その後方に山上ヶ岳、稲村ヶ岳、弥山など大峰を代表する山々が望める。特に今日は空気が澄んでいて、山上ヶ岳の大きな宿坊がはっきりと見ることができた。冬の大峰は雄大で綺麗だ。



山頂からの展望(大峰山系)


  雪深い山頂での滞在時間は短い。雪の上に直接座ると沈んでしまうし、冷たい。更にたっぷりと汗をかいた体が寒風にさらされ急に冷えてくるのだ。今回も写真を数枚撮り、パンを一つ食べて早々に下山にかかった。
登りに比べて緩い斜面をワカンを付けて下る時はスムーズでなかなか楽しい。ドカ雪がまた降れば、もっと奥の山々にも登りたいが、アプローチが良くて、スノーシューやワカンが楽しめる山が県内に無い(明神平ぐらい)のが残念である。





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