五番関から

    勝負塚山(標高1245.8m)



            平成19年7月16日(海の日)


 

  全国各地で大きな被害をもたらした大型台風4号が関東沖に去り、台風一過とはいかないまでも、3連休の最後の日はまずまずの天気、1ヶ月前に大所山から見た勝負塚山の稜線を歩くことにした。
 
  勝負塚山は、奈良県川上村の上谷集落の奥から登山道が付いているが、以前(8年前)に登った時は、かなり急なルートで、標高が低い山にもかかわらず、登り応えのある山として印象に残っている。
   今回は、未だ歩いていない大峯奥駈道から勝負塚山に延びる尾根を辿った。

  橿原市の自宅から国道169号・国道309号と乗り継ぎ、天川村の洞川から林道を五番関トンネルへ車を走らせる。途中、洞川では、台風の翌日というのに、稲村ヶ岳方面に登る登山者を多く見かけた。五番関までの林道の一部は台風4号の影響で、川のようになっている。大雨で山々は随分と雨を吸っているようだ。

  五番関トンネル西口には、1組(夫婦か)の登山者が登り始めるところだった。女性がここから登るという事は、女人禁制の山上ヶ岳ではなく、大天井ヶ岳へ登るのだろう。

  トンネル西口から五番関(大峯奥駈道)までは急登約15分。ここから山上ヶ岳へは大峯古道(右側)と従来道(左側)に分かれるが、歩く易い従来道を歩く。しばらく暗い樹林帯が続くが、木々の合間から大所山が見え出すと傾斜が緩くなる。周囲がブナ林にが広がるとまもなく百五十五丁石の立つ鍋かつぎ行者堂に着く。
 

   

    
 大峯奥駈道から見た大所山                 東方の峰々は台高山脈    


  鍋かつぎ行者堂から10分ほどの所にある大所山分岐を見送り、奥駈道を山上ヶ岳の方へ進む。左前方に見える勝負塚山への分岐点を見逃さないよう注意深く歩くと、今宿跡がその分岐点になっていた。ここからは若いブナ林のなだらかな稜線を東方向に進む。踏み後程度の道が尾根上に続いており、適当な距離にテープや赤い札が付けられていて迷う事はない。

  奥駈道から東方向に外れるこのルートは人気がなく、勝負塚山へ辿る人は少ないようだ。実際、このルート上で出会った人は誰一人いなかった。
  しばらく緩やかに下る登山道が続いたが、二股になっている地点で気付かないまま通り過ぎる。幸いに直ぐに気が付いて元の地点まで戻り、テープを探すと右手に下るルートを見つける。気が付かなかったら、そのまま左手のルートに行ってしまっているところだった。

  ここから、暗い下り坂が続く。石楠花が多くなり、所々に杉や栃の巨木が現れ、人手が入らない深山に踏み入った印象だ。一箇所、右側が開けて台高山脈が遠くに見える

  更に150メートルほど一気に下る、数字以上に長い距離を下った感じがして、鞍部に着いて正直ホッとする。
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山上ヶ岳(山頂の右肩付近に宿坊が見える)       勝負塚山の狭い山頂(三等三角点が埋まる) 



  鞍部からはゆるやかな登り返しになり、山頂手前の岩場の下をアスレチックのように攀じ登るとほどなく三角点の埋まる狭い山頂に到着。展望は利かないが、南方向の一部が開け、山上ヶ岳の稜線が真近に見える。勝負塚山の山頂は静かを通り過ぎて実に寂しい印象だが妙に惹かれる。

 山頂から少し戻って、山上ヶ岳の稜線や宿坊が眺められる所に腰を下ろして昼食を取る。

 帰りは伊坪谷へのルートを上谷へ下りたいが、今日も単独登山なので、車を置いた五番関トンネルまで戻らなければならないのが残念である。

 昼食を早々に済ませ、 元のコースを戻る。


   
 展望の良い稜線からは、勝負塚山と辿ってきたルートがよく見える (左上の尖った山は白鬚山)

 
 

  鞍部まで下り、150mの急登を登り返えす。尾根の南側はあまり手入れされていない植林帯で、右側(北側)は雑木の森である。標高1400m辺りの南方向の展墓が開けた所に戻った。ここからは先ほど登った勝負塚山が見下ろせ、歩いてきたルートも手に取るように見える

  奥駈道に近付くにつれ、ブナが多くなり尾根も明るくなる。緩やかなピークを登りきると小さな石塔が目に付き、分岐の今宿跡に戻って来た。大峯奥駈道はやはり歩きやすい。

  大所山分岐を過ぎ、五番関へと下る途中、大きなザックを背負って登って来る大学生らしい二人とすれ違った。今夜は山上ヶ岳でテント泊だろうか。

  すれ違って間もなくして、にわかに雨が降り出し、予期しない大降りになった。ザックの底から慌ててレインコートを取り出し着る。

  大粒の雨がレインコートを激しく叩く。先ほどの若い登山者にとっては、あいにくの登山になってしまったようだ。


 



 行 程

  五番関トンネル西口⇒<15分>⇒五番関(女人結界門)⇒<35分>⇒今宿跡⇒<110分>⇒勝負塚山⇒<115分>⇒今宿の宿⇒<40分>⇒五番関⇒<13分>⇒五番関トンネル西口





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