谷 川 岳

       オキの耳 : 標高1,977m
         トマの耳 : 標高1,963m



             登山日  平成22年10月24日(日) 曇り



    谷川岳は、群馬と新潟県の県境に連なる谷川連峰の一座で、トマノ耳とオキノ耳と呼ばれる二つのピークを持つ双耳峰である。標高は2,000mにも満たないが、地理的特性から、一ノ倉沢やマチガ沢など急峻な岩壁と複雑な地形に加えて、急激な気候変動によって遭難する者が跡を絶たないため「魔の山」とも呼ばれてる。

  谷川岳を有名にしている一ノ倉沢の岩場は、その険しさから北アルプスの剱岳、穂高岳と共に日本三大岩場の一つに数えられているという。また、気象の厳しさから、標高1,500m付近が森林限界となり、日本アルプスさながらの風景が広がり、稜線や山頂一帯では高山植物を楽しむことができる。   


  
ロープウェイを降りると標高1300mの天神平 冬季はスキー場のゲレンデになる


  谷川岳への登山ルートは、西黒尾根ルート、巌剛新道ルート、天神尾根ルートなどが一般的であるが、今回は生憎天気が下り坂ということもあって、当初の肩の小屋泊の計画を変更して、ロープウェイを利用した天神尾根ルートを辿る日帰り登山にした。



天神平を出発

木道が続く登山道

登山道から望む朝日岳

  谷川岳ロープウェイで一気に標高1,319mの天神平へ登る。天神平は冬季にはスキー場になっているが、今丁度紅葉シーズンとあって登山者に混じって観光客も多く見られる。ロープウェイを降りると、これから辿る谷川岳が見える。
  天神平の頂上へ運んでくれるリフトを横目に、白毛門や朝日岳を眺めながら整備された登山道を熊穴沢避難小屋まで登る。登山道周辺のブナ林は紅葉の時期が過ぎようとしているが、残された紅葉の木々の隙間から谷川岳の山頂が望むことができる。


紅葉に染まる

熊穴沢避難小屋

小屋前の案内板

   天神平から約2km、40分足らずで熊穴沢避難小屋に着いた。この避難小屋は二俣からのいわお新道との合流点に建っている。5分ほど休憩していよいよ急斜面の登りに取り付く。急な岩場にはロープや鎖が設置されているが、ガレ場の石の角が多くの登山者に磨かれて滑りやすい。
  登るに連れて眺望は一段と良くなり、南方遠くに連なる山々の向こうに富士山の頭が覗いている。背後にはロープウェイの天神平駅が見下ろせ、稜線を多くの登山者が登って来る。森林限界を超え登山道の周辺は熊笹の斜面に変わる。


           
熊穴沢避難小屋から先にはロープ場や鎖場が     私たちと同じくロープウェイ一始発便の登山者
                    



天狗の留まり場からの展望(中央部の白い部分が天神平)


  岩場の急な登りが続きが、急登の途中に天狗の留まり場と呼ばれる大きな岩に着く。休憩ポイントに絶好の場所で、ここからの展望は申し分ない。正面には笹原に覆われた谷川岳がどっしりと構えている。ここから更に登りが続くが、稜線を絨毯のように覆う熊笹がきれいだ。 


山頂を仰ぐ

万太郎山へ続く稜線

  登山道は岩や石がゴロゴロとしたガレ場になり、階段状に整備された登り道が肩の小屋まで続く。他の登山者を抜いたり抜かれたりしながらようやく肩の小屋に到着。こじんまりとした小屋の前の広場からは、南方向の山々や麓の風景がパノラマで望める。


辿ってきた稜線

階段状の登山道

肩の小屋

  肩の小屋から山頂(トマの耳)へは10分程度の距離。大きな石がゴロゴロした登山道を登りつめると、三角点が埋まる狭い頂上に到着。トマの耳と記された木製の標識柱が立っていて、遮るものが無い素晴らしい展望が広がる。
  北方には谷川岳のもう一つのピーク、オキの耳(標高1,977m)から一ノ倉岳、茂倉岳への美しい稜線が連なり、東側は白毛門、朝日岳、至仏山などの山々、南方向に榛名山、富士山、そして西側には万太郎山や苗場山などの山々が望める。


肩の小屋から山頂へ

トマの耳直下の登り

トマの耳(標高1963m)

    山頂で記念写真を撮ってすぐ隣のピーク、オキの耳に向かう。一旦浅い鞍部まで下って登り返す。稜線の右側は荒々しい山肌で切れ落ちている。オキの耳は、トマの耳より14m高いがピークには三角点はなく、やや地味な印象を受ける。 トマの耳に目をやると、天をつくような三角錐の頂上に登山者がたかってる。
  谷川岳登山は、今回が初めてということもあって、何度も足を止め写真を撮る。この山域は、どこにレンズを向けても写真になる。
 


トマの耳からオキの耳を望む

トマの耳からオキの耳へ

万太郎山へ続く稜線

  オキの耳から一ノ倉岳への稜線を進み、一ノ倉沢を見下ろすことができるノゾキまで足を延ばす。稜線の途中には立派な鳥居が立つ富士浅間神社奥ノ院があり、岩の中に祠が祀られている。更に稜線を下り、一の倉岳との鞍部にノゾキの標識が立っている。

  ここから足元を覗き込むと、荒々しく切れ込んだ岩の絶壁の迫力に圧倒され、足がすくむ。ハーケンを打つ音は聞こえなかったが、目を懲らして良く見ると、何人かのロッククライマーが絶壁に張り付いている。よくぞ、こんな険しい岩場を登る気になれるものだ。ロッククライマーを惹きつける魔の山の素顔がまさにここに凝縮しているようだ。


オキの耳(手前)とトマの耳(右)

登山者がたかるトマの耳

  谷川岳と言えば一ノ倉沢、この魔の絶壁をしかとこの目に焼きつけ、来た道を戻る。オキの耳、トマの耳の2つの山頂に戻ると、大勢の登山者が狭い山頂に溢れている。おにぎりやラーメンを食べている人、夢中で写真を撮っている人など様々、登山者それぞれに谷川岳を満喫しているように見える。

  肩の小屋まで戻り、広場で昼食にする。その間、中高年のグループや若いカップルなど幅広い年齢層の登山者がひっきりなしにが登ってくる。美しい山並みと天を衝く岩峰、広々とした風景、やはり谷川岳は人気の山であり、名山である。


オキの耳からノゾキへ

富士浅間神社奥ノ院の鳥居

ノゾキから覗き込む一ノ倉沢








行程(休憩時間除く)
  
天神平⇒<37分>⇒熊穴沢避難小屋⇒<60分>⇒肩の小屋⇒<8分>⇒トマの耳⇒<17分>⇒オキの耳⇒<8分>⇒富士浅間神社奥ノ院⇒<30分>⇒ノゾキ





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