八ヶ岳



 赤 岳 から 硫黄岳へ
  (標高2,899m)

  登山日 平成23年9月26〜27日


 麓に広大な裾野を有する八ヶ岳は、南北に連なる死火山で、赤岳は、その八ヶ岳連峰の最高峰(2,899m)である。今回は、荒々しい岩峰が連なる南八ヶ岳の赤岳から横岳、硫黄岳への稜線を歩くことにした。
 

  登山口の美濃戸に車を置き、南沢ルートを行者小屋へ。水が豊富に流れる沢を何度か渡りながらトウヒやツガなどの原生林をゆっくりと歩く。小石を敷き詰めたような小道をしばらく黙々と辿る。


赤岳山荘駐車場

登山口から樹林帯を歩く

正面に横岳を望む


 やや開けた沢に出ると、正面に荒々しい岩壁の稜線が屏風のように立ちはだかっている。小休止して再び樹林帯の登山道を詰める。
 やがて前方に木々の合間から山小屋が見え出し、ようやく行者小屋に辿り着いた。小屋前のベンチからは横岳から赤岳、阿弥陀岳が一望できる。特に横岳西面に突き出した大同心、小同心の岩峰は得意な風景で、圧巻である。
 下から眺める文三郎道コースは結構急な登りで、中腹まで長い階段が延びている。見た限り登っている人はいないようだ。


行者小屋のベンチ

行者小屋から赤岳へ出発

 ベンチでやや長い休憩をして、いよいよ赤岳への急登に取り付く。行者小屋からひと登りすると、まもなくベンチから見上げた長い階段が現れた。段差のある階段が延々と延びている。何度も休憩しながら一段、一段、我慢の登りである。いつしか森林限界を過ぎ、右手には阿弥陀岳と中岳が大きく構えている。
振り返ると、先程休憩した行者小屋が眼下に小さく見えている。


左眼下にj行者小屋、中央は硫黄岳

文三郎ルートの長い階段

阿弥陀岳分岐手前の登り

 幾つかの階段を登りきると、阿弥陀岳分岐の稜線に出る。ここから上部は岩場の登りに変わる。登山道には鎖が設置されていて、予想したほどの高度感や恐怖感はない。足場もしっかりしているし傾斜もそうきつくない。赤岳山頂までの岩場の登りはこのルートの核心部であろう。


登山道から頂上を見上げる

阿弥陀岳

 「キレット・権現岳」の標識が立つ竜頭峰分岐に出ると山頂まではもうひと登りである。岩場を回り込み、鉄のハシゴを登ると前方の視界が急に開ける。そして最後の短いハシゴを登りきると正面に赤岳頂上山荘が現れ、左に上がると標高2,899mの山頂に到着する。申し分のない展望が広がる。  


山頂へはもう一息

南方の眺め
赤岳山頂

 しばらく雄大な展望を楽しむ。赤岳山頂は双耳峰になっていて、南峰に一等三角点と神社が、北峰に赤岳頂上山荘が建っている。時間にまだ余裕があるので、もう少し足を延ばして赤岳天望荘で泊まることにした。赤岳頂上山荘の前を通り、横岳の方向へ下る。急な下りが鞍部まで続く。滑らないように慎重に足を運ぶ。程なく稜線の鞍部に山荘が見えてきた。


赤岳を振り返る

赤岳天望荘(背後は赤岳頂上)


  赤岳天望荘に着き、すぐに宿泊の手続きを済ませる。今日の宿泊者は少ないようで、ゆっくりできそうだ。赤岳天望荘は尾根に建つ山小屋だが、風呂がある。さっそく利用すると、7〜8人が同時に浸かれる大きな五右衛門風呂だった。
 昨夜は長時間のドライブと車中での短い仮眠。午後9時の消灯時はすっかり夢の中だった。



赤岳天望荘から眺める夕焼け(左端は赤岳山頂、中央の山並みは北アルプス)


 午前5時前に起床、5時30分からの朝食(バイキング)を早々に済ませ、硫黄岳へ出発。赤岳から横岳への間は岩稜の尾根である。この日は朝から好天に恵まれ、富士山や北・中央・南アルプス、御嶽、妙高など主だった山々が望むことができる。夜中に雪が降ったのだろうか、槍ヶ岳をシンボルとする北アルプスの稜線は、薄らと白くなっている。


赤岳天望荘を後にして

横岳への稜線歩き

 最高の展望を楽しみながら、次々に現れる鎖場、梯子、険しい岩場を堪能する。やがて岩の小突起を連続させたような山容の横岳(標高2,825m)に到着。振り返ると赤岳が天を突くかのように構えている。南八ヶ岳の中心部にあって、最高峰且つ特異な偉容を備える赤岳は、やはり八ヶ岳の盟主である。



展望の良い稜線が続く(写真左端は阿弥陀岳、右のピークが横岳)

 
 横岳から北に延びる稜線は、ここから穏やかになる。大きく弛んだ広い稜線に硫黄岳小屋が建ち、なだらか(に見える)な広い斜面を息を切らして登り返すと硫黄岳山頂である。どこが山頂か分からないくらい平坦な山頂だが、北東側の抉り取ったような火口壁の大断崖が凄まじい。


山頂から北八ヶ岳を望む

辿った来た赤岳、横岳の稜線

 この山頂から望む広々とした風景も格別である。硫黄岳山頂を辞し、ザレ場を下りると赤岩ノ頭に着く。ここで八ヶ岳本峰を見納めて赤岳鉱泉へ下る。下山道は程なく深い樹林帯に入る。時々木々の合間から見える稜線を眺め黙々と下る。1時間余りで赤岳鉱泉に下りた。山小屋はひっそりとしていた。
綺麗な沢に沿って下れば、ようやく美濃戸に戻って来た。


  帰路、小淵沢インターチェンジに入る前に「鹿の湯」の看板を見つけた。大きな施設で幸い空いていた。ゆっくり食事をし、ゆったりと温泉に浸かる。八ヶ岳登山は、天候に、そして山に恵まれた山遊だった。


行 程

 美濃戸登山口 → 行者小屋→ <文三郎道> →赤岳→ 横岳 → 硫黄岳 → 赤岳鉱泉 → 美濃戸登山口

 


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