室生火山群


   かぶとだけ           よろいだけ
 兜岳 鎧岳

平成24年6月11日(月)晴れのち曇り


  兜岳と鎧岳は、奈良県宇陀郡曽爾村にあり室生火山群に属する岩峰である。室生火山群は、地質時代新第三紀の後半の頃の火山活動で、この時期には日本列島が全域にわたる地殻変動の中で日本海が形成され、日本列島が大陸から分離された。両山はこの火山活動で流れ出た溶岩によって形成されたと云われ、屏風岩と合わせて「曽爾三山」と呼ばれている。いずれも国指定天然記念物である。随所に柱状節理や板状節理の岩肌が見られ、その裾野はゆるやかな高原となっている。

  兜岳と鎧岳へは、一般的に目無地蔵登山口から取り付き兜岳、峰坂峠を経て鎧岳に登り、新宅本店へ下る縦走路が利用される。私も最初の登山は、このルートを登り始めたが、連れてきた愛犬(ミニコリー)が兜岳手前の巨岩が点在する急傾斜で登れず、引き返した思い出がある。今回は、両山の中間に位置する峰坂峠からピストンで二つのピークへ登ることにした。


林道風呂谷線手前に車を置く

東海自然歩道の道標と曽爾高原

林道終点の取り付き

  正面に鎧岳を見上げる林道風呂谷線の取り付き付近に車を置き、峰坂峠へと続く舗装道路をしばらく歩く。最奥の民家を過ぎ、テニスコートを右手に見る。朽ちかけた木製の鳥居を見て更に進むと「鎧岳、兜岳」への表示があり右側の林道に折れる。林道はほどなく終点となり、ここから細い地道の山道に変わる。周囲は手入れされた杉の人工林が広がり、ジグザグに登っていく。林道終点から20分程で兜岳と鎧岳に分かれる分岐に着く。


兜岳と鎧岳の分岐

兜岳への急な登り

登山道から望む鎧岳と曽爾高原

  今回は先に標高の高い兜岳へ登るため、左手の登山道を取り、峰坂峠へ向かう。程なく前方が開けてきて、峰坂峠手前を左に取ると稜線に出た。兜岳へはここから急な登りになり、トラロープが張られた急な斜面を登る。ほどなく背の高い笹が現れ、徐々に深くなる笹を払うように進む。時々左手に曽爾高原や二本ボソ、倶留尊山が望める。一度アップダウンして岩場交じりの急登を登り切ると標高920mの兜岳頂上に飛び出す。山頂は比較的広いが、樹木(自然林)に覆われて展望はあまり利かない。静かな山頂で野鳥の鳴き声だけが聞こえる。三角点はない。


兜岳山頂 (標高920m)

南方の展望

  休憩したあと、東側に聳える鎧岳へ向かう。一旦元の急な道を慎重に下り、峰坂峠から稜線を登り返す。峰坂峠は、兜岳・鎧岳の丁度中間の距離にあり、共に800mの距離である。この登山道の周囲も杉の植林帯で、一度アップダウンをして、やや急な杉の植林帯を登る。
  植林帯は鎧岳山頂から北側に延びる稜線まで続いているが、稜線で出て分岐を右に折れると自然林交じりの比較的緩やかな登山道となる。分岐から200mほどで鎧岳の頂上に到着。こちらの標高は894mで先に登った兜岳より16m低いが三角点が埋まっている。


峰坂峠

稜線に出て右へ折れと山頂へ

鎧岳山頂 (標高894m)

  山頂は兜岳同様樹木で覆われて、展望はあまり利かない、麓から見上げる険しい山容からは想像するような鋭い山頂ではなく、高度感もない。木々の合間から曽爾高原から古光山への山並みが望める。以前(随分前になるが)に登ったときは、丁度曽爾高原のススキの山焼きの時だった。山焼きは毎年3月初旬に行われているが、高原全体に広がる枯れススキが燃え広がる風景をここから眺めるにはいいかも知れない。


山頂から二本ボソ、曽爾高原を望む

後古光山(中央)と古光山(右側)

  展望が利かないので、早々に下山にかかる。途中、峰坂峠手前で鎧岳と兜岳を杉の合間から望むことができた。麓から見ると兜岳は鎧岳よりやや穏やかな山容に見えるが、意外にもここから見る兜岳は鎧岳より険しく、正に天に鋭く突き出すような山容を見せていた。

  帰路、車中から改めて曽爾三山を望む。特異な風景の麓にのどかな農村風景がどこまでも広がっていた。曽爾村はNPO法人「日本一美しい村」連合に加盟しているという。調べると奈良県内では十津川村も加盟していた。確かに曽爾村には魅力が沢山あり良いところである。




帰路、兜岳(左側)と鎧岳を振り返る



表紙へ

ブログパーツUL5

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送