D-58製作記             (設計 : 故長岡鉄男氏)

                                         製  作  日  平成17年10月2日〜10月6日
                                         製作協力者  音楽喫茶「山」オーナー前川氏
                                                   T.N氏


                          材       料   ラワン合板(板厚21mm 8枚)
                                        木工ボンド、スクリュー釘、木ねじ、砂利(40Kg)、グラスウール など

                          使用工具   電動ドライバー、電動ドリル、電動カンナ、電動サンダ、鋸、
                                           ハンダコテ、ハタガネ、金槌、T定規、スケール など     
材料のラワン合板(8枚)を設計図とおりに切ってもらい、各部板に番号を付ける。

組み立て順序を確認して、まずバッフル板から始める。

写真は空気室の組み立て。
バッフル板に空気室の区切りと天板を木工ボンドで貼る。

ボンドがある程度乾くまで、バッフルと天板の直角を出して端木で固定。
内側のバッフルに外側のバッフル板を張り付ける。

スピーカーボックスの正面や天板など見える所は木ねじ等をあまり使わず、木工ボンドで貼り付ける。

木工ボンドは、圧着した時に横にはみ出る程度に余分に付ける。
バッフル、空気室周りの組み立て作業の合間に(木工ボンドがある程度固まる迄)底板の部分を作る。

はみ出たボンドは、直ぐに湿らせた布で拭き取る。(はみ出たまま放置すると、後の仕上がりが綺麗にならない)

各部の組み立てで特に注意する事は、各板の直角が取れているかである。

直角の確認には、T定規や直角が確認された板などがあれば便利。

音道部の部材をブロック毎に作っていく。
側板に組みあがった部材を置いて、部材が設計どおり組み上がっているか確認していく。

寸法間違いや隙間、段差ができたら、直ぐに修正をする。

設計図とおりに各部材が出来上がってきたら、、音道部分を繋いでいく。

接着は、木工ボンドと木ねじを併用する。

部材に直角が取れていないと、この作業で隙間ができる。
写真は、バッフル・空気室の部材に、先に作っておいたホーンの開口部(上部)を貼り付けているところ。


(参考:組み立て後に塗装を予定している場合は、この時点で、ホーン開口部周辺の部材を先に塗装しておいた方が、後で楽。)、

音道部分が完成したら、側板に一旦音道部材を置き、サインペンで音道部を形取る。

写真のように側板に音道部分が書けたら、音道部材を貼り付けるための木ねじの穴をあける。
作業の手順は、先に組み立てた音道部を側版でサンドウィッチの様に挟み込む。

音道部材に木工ボンドをタップリ付け、木ねじの穴をあけた側板を上から乗せて電動ドライバーを使って止めていく。


両方の両側板を貼り終えるとスピーカーBOXらしくなる。

最後に、側板と底板をもう1枚づつ貼り付けて2重にする。

底板は見えない所なので、木工ボンドと木ねじ又はスクリュー釘で固定する。

組み立て作業が一通り完了すると、乾燥を待って塗装にかかる。

塗装は、まず音道の開口部の最奥部から始め、次に底部分を塗るとスムーズに進む。



ホーン開口部と底部の塗装が出来たら、一旦塗装を止め、正面、側板、天板、裏板の仕上げ(隙間や段差)をチェックをして、問題箇所があれば補修する。


写真は正面部分の隙間を木工パテで埋めているところ。

スピーカー正面や天板部、側板部は特に仕上げを綺麗にするため、段差が生じた部分はカンナで削り、隙間は木工パテで埋める。

また、合板の切り口は塗装しても綺麗にならないので、木工パテで目止めする。

私の製作したスピーカーBOXは白か黒がほとんどだが、今回のD-58はJaZZ喫茶「山」で鳴らすため、前川オーナーの希望で黒に塗る。
塗料は水性ペイント(ウレタン配合)で刷毛で2〜3回に分けて塗るが、途中、細かい紙やすりで磨くと、表面が綺麗に仕上がる。

充分乾燥させたらSPユニット(FE208Σ)とツィーター(T925A:コンデンサー0.68μF)を取り付けて、完成。

(取り付けるユニットについては、現時点では限定版が手に入らないので、それまでの繋ぎとして使っていないFE208Σを使う。限定版が発売され次第交換の予定)
視 聴 (音楽喫茶「山」にて)

  これまで製作したスーパースワンやモア等との比較が楽しみだった。
  切れ、音離れが良く、低音も量は薄めだが、かなり伸びている。交響曲のティンパニーやベースは分解能が高く申し分ない。
  中音、高音とも音の抜けも申し分ない。FOSTEXのユニットの音に有りがちな紙くささも感じられない。ツィーターとの繋がりも自然でフラット。全般的には、スーパースワンより音はすっきりしているが、大音量時の余裕の点では1枚上だ。
  モアとの比較については、どちらも良い音で甲乙付け難い。しかし個人的にはこのD-58の方は直線的でJaZZ向け、クラシックは音の厚みでモアといったところか。ボーカルはモアの方が好み。後ろから低音が出るモアに対し正面から出るD-58とのニュアンスの差と言ったところか?。音場はやはりスワン。
   エージングが進むと音は更に良くなるだろう。
   BoXの大きさは私には丁度良く、ルックスも存在感があり、もう1組作りたくなるスピーカーである。 (現実的にはもうこれ以上スピーカーを置くスペースが無く、家内も悲鳴を上げているので許可が下りないだろう)
  箱のエージングが全く出来ていないにもかかわらず、箱鳴りがほとんど無い。2重に張った側板、底板と内部の補強が効いているようだ。
 Jazzホールのような広い部屋で音量を上げて聴くには申し分のないスピーカーだと思うが、6畳から10畳程度の部屋ならスーパースワンで充分かな?とも思う。モアは大き過ぎて普通の家庭の部屋にはまず置けない。贅沢を言えば、スーパースワンとD-58を両方設置するのがベストと思う。

追) このD-58(第1作目)の視聴については、音楽喫茶「山」の高級スーパーオーディオCD機器や好みの音を再生する為に改造を重ねたアンプやケーブル類(やや表現がオーバーかも?)で行ったので、単にD-58を作れば、全てにおいて良い音が出るとは限らないケースもあり得る事を書き添えます。
  特に音楽喫茶「山」のオーディオアンプは、オーナー好みの低音をぶ厚くした音つくりに改造しているため、普通のアンプで鳴らすとやや中低音が薄めのハイ上がり気味の音になる傾向にある。また安いアンプで鳴らすとスピーカーの性能を出し切れないことがこのD-58に限らず、よくある事です。
片側の側板に音道部を取り付けたところ。

音道部材が平行なっているかを確認し、問題があればもう片方の側板を張り付ける前に修正しておく。同時に、スピーカー端子と内部配線を済ませ、空気室、デッドスペースに吸音材を入れる。
TOP頁に
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送