キングコプラ製作記  

 製 作
  
いつもの建具屋さんにシナ合板のカットを依頼、ユニットは限定版が手に入らないので、FF85Kを使う。
製作は本体のスパイラルホーン部の組み立てから取り掛かり、木工ボンドと釘で順番に繋いでいく。
   作業はいたって簡単で、音道の板を直角に折り曲げて接着して行けば問題なく組み上がる。グラスウールは最小限にとどめる。ボンドが乾いたら、上板と底板でサンドウィッチのように挟み込むと一応形になる。更に上板と底板、開口部の側板を二枚重ねに貼り箱鳴り防止に万全を尽くす。

  次に首部と顔部(バッフル部)の製作に移るがスーパースワンとほぼ同じ行程でいたって簡単。本体と首部の接合部はホーン開口部の方向を自由に変更できるように鬼目ナットにする。
   合板の切り口は、塗装をするとその部分だけ粗く目だつので、桧の薄板を貼る。各接着部に生じた段差はサンダーで削り、凹みは木工パテで埋める。
 充分乾燥させたら、塗装の下準備にかかる。表面を電動サンダーで綺麗に仕上げ、グレーのサーフェイサーを吹き付ける。

    塗装は、最初にニス(着色)を塗ってペイントの吸い込みを防ぐ。乾燥を待って細かいペーパーで表面を仕上げラッカーを吹き付ける。模型の塗装と同じ行程だ。首と頭の部分はシルバーのラーカーを吹き付けるが、シルバーは吹き付け時のコンデション(気温など)によりクモリやムラを生じるので非常に難しい。本体のホーン開口部等は予め内部をニスと黒のペイントを施し、本体の表面は黒の下地塗りの上から青のラッカーを吹く。本体と首部の接合部は少し派手目の色にしてアクセントにした。完成したエンクロージャーは、特に頭と首部分のシルバーメタリックが冴え、金属でエンクロージャーを作ってあると勘違いするほどだ。ホーン開口部は正面に向けるよりスワンのように後側にするほうがホーンの癖が少ない。見かけは小柄そうだが実際けっこう置き場を取るため、壁にくっ付けてセッティングするとなると開口部を横向けにすることになる。

    

キングコプラとスーパースワン
  音のほうだが、低音は大阪のおばちゃんのようにバカスカ出てくる。肝心の中高音はとても綺麗だが低音に押されまくり、なんとも大人しい。スーパースワン(低音はいい具合)やD-58(低音はやや薄め)等とは異にする低音の出方である。音がやや「べたぁー」となるのはユニットのマグネットが弱い為と思われるが「歌謡曲には耐えられそうだ」と半分開き直り。しかし、他の自作スピーカーに比べると、形は面白いが肝心の音はもう一つといった印象。

  FE88ES-Rを組み込んだK氏のキングコプラと聞き比べをしたら、ユニットの違いでこうも音が違うものかと思い知らされた。K氏のSPは低音が締まり且つ低く伸びている。中・高音も綺麗で高級SPの音がする。片や私のコプラは大人しく、分解能も劣る。ユニットを限定版のFE88ES-Rに交換すれば良い音が出るとわかっていても、4本×12,500円は痛い。製作したスピーカー全てがスーパースワンと同じ音がなるというのも、良いのか良くないのか・・・・。良い・良くない、甘い・渋い・・・、色んな音が鳴って自作のSPは面白いし、楽しいものである。
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本体の上・底・側板は二枚重ね
上塗り前のキングコプラ
材 料   シナ合板(15mm厚)3枚 木工ボンド 木ねじ
       ラッカーペイント ニス サーフェイサー
       グラスウール 紙やすり 木工パテ

ユニット  Fostex FF85K(4本) SPターミナル

工  具  電動ドライバー 電動サンダー 電動ドリル
       鋸 ハンマー T定規 ハタガネ 刷毛
 
K氏のキングコプラ(黒)との聞き比べ(音楽喫茶「山」にて)
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