台高山脈

       お  お  だ  い  が  は  ら
 大台ヶ原

   最高峰:日出ヶ岳(標高1,695m)


              
平成22年5月22日(土)快晴


   大台ヶ原は、奈良県と三重県の県境に連なる台高山脈の最高峰である。年間平均降水量が4,000mmを超える日本有数の多雨地帯ゆえ、山頂台地はブナやトウヒ、ウラジロモミなどの原生林の森に覆われている。

  現在は、山頂付近までドライブウェイが通り、シーズンには大勢の登山者や観光客が詰めかける人気の山であるが、ドライブウェイが開通する昭和36年までは、ごく一部の登山者のみが知る秘境の山且つ魔の山であった。

  大台ヶ原には日出ヶ岳山頂付近の石楠花平とシオカラ谷に下る石楠花坂に石楠花の群生地があるが、丁度見頃を迎えたので、花を楽しみに、大台ヶ原(東大台コース)を歩くことにした。


周遊路入り口

歩き易い周遊路

日出ヶ岳への登山道

  午前8時に大台ヶ原駐車場に着き、身支度を済ませて先ず日出ヶ岳へ向かう。遊歩道の周囲は、トウヒやウラジロモミの針葉樹で覆われ、所々に大台の自然や動植物の案内板が設置されている。原生林の森に朝の斜光が差し、張りつめた空気が一層清々しく感じさせる。

しばらく平坦な散策道が続き、やがて階段状の九十九折の登りになると、程なく正面が開け、正木嶺と日出ヶ岳との間の鞍部に出る。

  尾鷲湾を望む木製のテラスが設置されていて、海を眺めながら一息入れるには良い所である。

テラスの直ぐ横(北側)には日出ヶ岳山頂が望め、ここから山頂まで木道の階段が続いている。
  山頂には一等三角点が埋まっていて、360度の展望が開ける。山頂の展望台からは、大峰山脈や正木嶺、尾鷲湾などがパノラマで望める。


テラスから望む尾鷲湾

日出ヶ岳山頂

山頂の三角点

山頂付近の石楠花がちらほら赤い花を付けている。展望を満喫したあと、大杉谷方向へ少し下った所にある石楠花平へ向かう。登山道の周囲にも沢山の石楠花が見られるが、花がポツポツと咲いているといった感じで、花の付きが今ひとつである。


大杉谷への道標

山頂からシャクナゲ平へ
シャクナゲの花

山頂に引き返し、東大台周遊道を正木峠、正木ヶ原へと向かう。こちらも植生の保護のため、木道が延びていて、すっかり観光地の散策道になっている。

   木道の周囲に沢山見られる五葉つつじ(シロヤシオ)は未だ堅い蕾のままだ。木道の階段を登り切ると正木峠である。


日出ヶ岳から正木嶺へ

正木峠

正木峠の白骨林

  正木峠辺りからトウヒの立ち枯れが見られ、大台の代表的な風景になった白骨林が広がる。立ち枯れした樹も、年々倒木が増えて、徐々に笹が生えるだけの草原になりつつある。

  正木峠から木道を下り、緩く登り返すと正木ヶ原に着く。以前は、鹿の群れが見られた所だ。

  正木ヶ原からしばらく下ると尾鷲辻に出る。ここを真っ直ぐに行くと牛石ヶ原に出る。牛石ヶ原では、ミヤコササの平原に魔物を封じ込めたと伝えられる牛石や神武天皇の像が建っている。


牛石ヶ原へ

神武天皇像

伝説の牛石

  少し休憩を取ってから大蛇ーへ向かう。大蛇ーへの分岐から大蛇ーの岩壁までは 狭い尾根のガレ場を下り、最後の大きな岩に上がると、前方が開け大絶壁に突き出た岩頭に立つ。

  眼下は目もくらむ大絶壁で、高所恐怖症の人にはとても岩の上を立って歩けないほど高度感がある。大蛇の頭のような岩が絶壁に突き出し、その向かいに西大台の森、その向こうに大峰山脈が累々と連なり、東ノ川渓谷を隔てた手前の岩壁には西の滝が細く長く落ちている。

  すぐ右手前の垂直に切り立った岩壁はセイローである。大蛇ーの先端には鉄杭と鎖の柵が設置されており、腰を下ろして、大絶壁のパノラマを楽しむ。

 大蛇ーから周遊路の分岐まで引き返し、シャクナゲの群生地のガレた坂道をシオカラ谷へ下る。
  シャクナゲは丁度見ごろで、沢山の花を付けている。シオカラ谷の方からも大勢のハイカーが登ってくる。

  下るに従い、沢の音が聞こえ出す。下りきるとシオカラ谷で、沢に吊り橋が架っている。山頂の日の出ヶ岳付近からの清んだ水が豊富に流れている。

   川原に下り、昼食にする。このシオカラ谷を下れば、東の滝があり、更に下ると、中の滝、西の滝が望める滝見尾根である。

   東の川の川原まで下り切ると中の滝と西の滝の真下へ行けるが、現在は通行止めの看板が立っている。
  危険な箇所はあまり無いように思えるのだが、遭難や滑落事故があるのだろう。せめて滝見尾根まで下れば、正面に落差200m以上の2つの滝を望むことができるのである。
 

   食事を済ませ、吊り橋を渡り駐車場へ向かう。ここから少しの間は一汗かく階段の登りになる。原生林の静かな森が広がり野鳥の鳴き声が聞こえる。この付近は西大台のエリアと接している。

  右上手に大台山ノ家が見えてきたら駐車場まではもう一息である。やがて歩き易い平坦な道になって、大型バスや乗用車で埋まる駐車場に着く。


  大台ヶ原は、東大台と西大台の2つのエリアがあり、対照的な性格を有している。現在、西大台は、自然保護のため登山者の自由な立ち入りを制限している。

  西大台については、入山が許可制になる前(平成18年5月21日)に歩いているので、こちらを参照してほしい。



行  程
 大台ヶ原駐車場⇒<40分>⇒日出ヶ岳⇒<15分>⇒シャクナゲ平⇒<20分>⇒日出ヶ岳⇒<30分>⇒正木ヶ原⇒<30分>⇒牛石ヶ原⇒<15分>⇒大蛇ー⇒<55分>⇒シオカラ谷⇒<25分>⇒駐車場



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